第12話 7月戦
──7月戦がはじまった。
殆どの国内生保会社の重大月にあたり、この月は通常の2~3倍の成績をあげる様に努力しなければならない。
実際この月の為に6月1件ぐらいしかあげない人や下準備をして契約をためておく人も多い。小橋さんもそのうちの一人で、第一報にドカッと成績を出す。重大月に私が成績をあげなければこの支部は終わりだわと責任感(?)をもっている様だ。
私も初めての重大月なので気合いが入っており、第一報に無事1件契約を取ることが出来た。
全員大会というのもあり、どこかのホテルに集まって成績上位の個人・支部の発表が行われる。つまらない集まりで表彰台に立つ事が無縁の職員達は殆どの人があくびや居眠りをしていた。
ホテルを貸し切るお金があったらその分営業職員に換金してくれた方がよっぽどいいと何度思った事か……
また、この月は成績が良かった人にはホテルでの食事会や旅行にいけるという施策がでる。私はこの施策に惹かれてか、育成部のベスト10に入る程の成績を残した。小橋チームという組織としてもかなりいい成績をあげる事が出来た。
──なんだかんだいっても順調なスタートをきったかに思えたのだが……
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