第7話 地区活動
──入社3ヶ月目。
会社から女性営業マンに地区を回ってもらうという指示がありました。女性職員が地区を訪問するというのは初めての試みという事で会社側もかなり検討した様です。はじめ聞いた時はびっくりしました。だって恐いですもん。
既契約者も含め殆どが飛び込みの状態なので、もし何かあったりしたら……でも最初の内は川上リーダーが同行してくれたので少し安心しました。
一件一件マンションのブザーを押す度にドキドキ……
殆ど昼間は家にいない人が多かったので、稀にドアの向こうから声が聞こえた時には『あ~っ、誰かいたの? 押すんじゃなかった……』と思ってしまいました。
会社訪問よりも難しかったです。だいたいがドアの内側から「うちは結構です」って。下手するとイルスなんか使われたりして。
とにかく男の人が恐かったのでなるべく女性宅ばかり飛び込む様にしてました。たくみさん等に聞いてベランダや玄関を観察して女性ものの傘や子供の遊び道具等を確認してからブザーを押す様にしてた。
(たくみさん、なんか以前いろんな訪問販売してたのかな? 電気メーターや覗きドアから人の有無を確認するらしい。一度付いてきてもらった時に居留守(覗きドアから見てる)のを見破ってすかさずおじきしてドアを開けさせたのにはビックリした。これは真似できなかった)
中には区別できない所もあります。そんな時は『あ~、もし男の人が出てきて部屋に強引に連れ込まれて●▲×■・・・』といらぬ妄想が膨らんでしまいブザーを押すことが出来ない時もしばしありました。
リーダーの同行のおかげで地区からも初契約を暫くして頂くことができました。
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