第11話 小橋チーム(7月戦前)
小橋チームは異様なムードを放つチームだと社内で有名であった。班の中にいる私達には感じられなかったがその理由は小橋さんにある様だ。彼女は実は全国トップレベルの成績の職員で支部を支える人物であり、陰の拠点長とも言われていた。今回の大きな班編成も彼女のわがままの一つだと噂されていた。
「設楽・前藤・畑口、あなた達は選ばれた人間なのよ。サラブレットなのよ。みんながあなた達をうらやましく思って”負の念”を送ってくるかもしれないけど、私が全部雑念を払ってあげるから」
──羨ましく思う? サラブレット? なんだそれ……
そう、もうこの文で気付いた人もいるかもしれないが、彼女、なんか怪しい宗教をかじっている人なのである。
彼女の中では『小橋=神様』なのである。車の中には何やら金縛りだかなんだか分からないけど変な本も置いてあるし。
(この『宗教』の話は今後詳しく書いていきます)
なんだか異様な雰囲気に包み込まれ、軽い洗脳を施された私達。季節は真夏へと急加速していき、『7月戦』を迎えようとしていた。
──とりあえず頑張らなくては……
コメント