第20話 小橋リーダーのぼやき
小橋リーダの同行の時、彼女の愚痴がどんどん変わっているのに気づいた。
「のり子、この頃みんな仕事さぼってないか?」
「えっ、そんなことないと思いますよ」
「この班は私がいないとダメなのよ。みんなひな鳥の様に口を開けて待ってるの。私は契約をあたえ続けなくちゃいけないの」
……なんか問題が違う様な気がしたが、彼女は彼女なりに悩み、疲れているようだった。
そしてみんなも疲れていた。毎月毎月ノルマをこなす事も出来ず、契約件数がおっつかなくなってきているからだ。
契約をつけてもらう事は、給料も上がるし件数をこなす事が出来るので、結果的にはとてもプラスになる事である。しかしみんな自分でとれるものなら自分の力でとった契約をあげたいと思っている。やっぱりつけてもらうのはなんか心苦しいし。
{自分で契約をとれる手順……というかやり方を教えて欲しい}
私を筆頭にみんなが小橋リーダーに望むのはそれだった。もともと全国レベルだった彼女のやり方を教えて欲しい。そして自分の力で取れる様になりたい……
一方、小橋リーダーが感じ実行した事は契約をみんなにつけ、みんなの給料をあげようとした事。
双方の食い違いがあったのだろう。彼女なりに一生懸命だったのだろう。しかし、この食い違いにより、チームは崩壊へのカウントダウンを速めていく事になった。
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