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怪しい投資先の見分け方

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怪しい投資先の見分け方

はじめに

「ぅわ、〇×に投資していたけど詐欺だったよ、騙された……」

今も昔もこの様な話題はなくならないです。最近だとFX絡みか仮想通貨絡みか。

でもって、何故それを信用して投資したかという理由の多くは「〇×さんが信用できそうだったから」「〇▽さんが宣伝していたから」な~んてフワッとしたものだったり。

当然ながら、そんなものは判断基準として何の意味も持ちません。

何故か日本では投資における「当たり前の投資先の判断基準」の話が全くといっていい程されていないので、ざざっと書いていこうかな、と。

ファンド購入における鉄則~最低限の投資基準~

ファンド(投資信託)購入において、まずチェックすべき項目が存在します。少なくとも自分は以下をクリアしていなければ検討する事すらなくスルーします。

  • カストディ・監査法人がしっかりしているか否か
  • ISINコードを取得しているか否か
  • PB、PPBの精査を通過しているか否か

ひとつずつ解説していきます。

ファンド(投資信託)とは?

と、まずはファンドとは何ぞや? を説明する必要があるでしょうか。

「複数の投資家から集めた資金を用いて投資を行いそのリターンを分配する仕組み」と解説で出てきますが、要するに「自分の代わりにお金を上手く運用して貰うもの」と考えて貰ってOKです。

適切な例かどうか分からんですが、例えば知人のAさんがデイトレードで大きな利益をあげているのでAさんにお金を預けて多少の手数料を払って代わりに運用して貰おう、というのと大筋は同じですね。

さて、Aさんについてちょっと考えてみます。まず、何をもって大きな利益をあげている事を証明できるでしょうか? でもって、仮に証明できたとして、実際に自分のお金を運用して貰っている証明はできるでしょうか?

実はこれを証明するのが「監査法人」であり「カストディ」だったりします。

カストディとは?

以下、かつての自分の師匠のIFAの説明を抜粋します。

投資家に代わって有価証券の保管・管理などの業務を行う金融機関のことですね。具体的には複数のファンドに投資しているわけですから、それぞれのファンドのShare(会社型投信の株)もしくはUnit(契約型投信の単位)を保有しているという証書が存在します。

これはファンド会社のオフィスの金庫に保管されているわけではなく、カストディーが分別保管します。

また通常ファンドにはキャッシュポジションと言って、細かいキャッシュフローを円滑に行うためにある程度の預金残高を有しています。キャッシュといっても現金をオフィスの金庫にしまっておくのではなく、カストディー銀行に信託預金の形でおいておくのです。信託預金ですから、日本の銀行のように、これを預金者の知らないところで企業に貸し付けたりはせず、ただ、黙って預金として分別管理しておいてくれます。もしファンド会社だけしかファンド価格を発表しなかったら、ある意味でファンド会社がウソのファンド価格を自社のホームページに載せたり、お客様に通知したりするかも知れません。(実際こういう詐欺ファンドは国内外に沢山存在し、時々警察沙汰になっていますね。決まってカストディーなど使っていません

第3者であるグループ外の銀行がファンドの持つ資産を全て一元管理することにより、正しい資産価値がいくらなのか、常にファンド会社の申告する値と自行がはじき出す値と照合させながら運用を監視して行くのです。

監査法人とは?

企業の会計処理や決算内容が適切かどうかを、第三者の立場から客観的にチェックするのが監査法人ですね。

意外に多いのが「監査法人はついているがカストディがついていない」というケース。監査法人さえついていれば大丈夫じゃね? と思われる方もいるかもですが、会社が巧妙な嘘をついていた場合は見抜く事は困難ですからね。(あくまでも会社から提示された資料や説明に合理性があるか・矛盾がないかというのを色んな手法を使って検証するだけであり、そのすべてが嘘だった場合で合理性もある場合、それを嘘だと見抜く責任までは負わない)

ISINコードとは

ISINコードは、ISO 6166 国際証券コード仕様によって規定されている、国際的に統一された12桁のコードですね。(ISINは International Securities Identification Number の略)

ま、上記のカストディ・監査法人がついているファンドはまずISINコードを取得しています。(というか、カストディ・監査法人ついていてISINコードないファンドを探すのが大変なレベル)

PB,PPBの精査を通過しているか否か

これに関しては大半の人が「え? 何それ?? 初耳だけど」というくらいなじみが低い(というかないであろう)ですし、この精査を通過していないからといって上記をクリアしていれば「まともかもしれない」が為に必須とまでは言わないですが、少なくとも自分はこのPB、PPBの精査を通過していないファンド等に手を出す事はないです。

※PB(プライベートバンク)は、細かい説明は省きますが世界中の資産という資産を組み込める仕組み。PPBは金融資産のみ。

基本、PBやPPBに関しては詐欺ファンドを組み込めてしまった~となったら信用に関わる話になりますので、特に新興ファンドに関してはかなり慎重に精査します。(余談ですが、かつて流行ったベトナム系ファンドの殆どがPBやPPBの精査に通らずに組み込む事ができなかった。投資の世界において、MENA(中東・北アフリカ)より信用度が低いのが一般認識でした。更に余談になりますが、仮想通貨は現時点においてはPB・PPBは資産として見なしていないのか、組み込み不可(要するに精査に通らない)ですね)

 

ちなみに、ここまで慎重に慎重を重ねても実は詐欺ファンドだった、なんてケースもそれなりにあったりしますのでこれで完全に詐欺ファンドを回避できる訳ではないですが、、、

PBやPPBなど、機関投資家以上の精査なんぞ、個人レベルでは絶対無理!

これが現実ですね。

意外に最低条件を満たしていない投資先が世に溢れている

さて、上記に「投資における最低条件」を書いたところで、もう一度みなさんにお伺いします。

「投資における安心の基準って何ですか?」

立派なHPやパンフレットがあるから、雑誌に掲載されていたから、著名人が推奨しているから、それなりに昔からあるからetc…

ごちゃごちゃ言われる方もいるかもしれませんが、カストディすら設定していない案件に投資するなんぞ狂気の沙汰、お金をドブに捨てる様なもの、と思うのは自分だけでしょうか?

えぇ、かつてはこの「最低限の投資基準」でボロクソ言われてきましたよ。とあるケースでは某担当者より「これ、モロ脅しじゃね?」という連絡を頂戴したりとか。

「政治家の〇×先生が宣伝してたから大丈夫に決まってるだろが! もう長年ここやってるし、詐欺の筈ないだろが!」

ま、面倒なので固有名詞は出さないですが、普通にポンジースキームでしたしね、ここも。

ちなみに上記の「最低限の投資基準」に照らし合わせると、、、「あれ? まともだと思っていたココも、もしかしたらヤバイ……?」というところ、多々出てきますので興味のある方、調べてみると面白いかも。(その結果、かなりゾッとするかも)

当然、カストディ等ついていないところでも中にはまともなところが存在する「かも」しれませんが、人の善悪によってどうとでもなってしまう拙いシステム(管理体制)のところに投資する事がどれだけリスキーなのか、という事はもっと知るべきでしょう。

まとめ

「元本保証、月率5%以上は期待できる」

世の中、こんな案件がちょくちょく出回りますが、ぶっちゃけ「そんなオイシイ話はまずない」のが現状です。

「いや、何か説明を聞いたらまともっぽいんだけど……納得できたし」

と思われたあなた! 前述した最低限の投資基準に照らし合わせてみましょう。十中八九カストディ等設定していないスカスカの管理システムですから。

仮にまともだとしたら、海外投資家や機関投資家が黙っている筈ないじゃないですか。えぇ、日本人なんぞ比べ物にならない程の銭、集まる事でしょう。

ちなみに上記の様に「そんな数字、嘘だ~」と分かりやすいものではなく、何かリアルにありそうな数字のもの程、注意してみる必要があります。円建てで年8-10%くらいが安定的に~とか。(ま、これもあり得ないレベルの話になるんですがね笑。当たり前の話ですが、リスクとリターンは比例するのが世の常)

  • HPやパンフレットの豪華さは関係ない
  • 雑誌や著名人の紹介も関係ない(銭さえ出せばホイホイと……)
  • 最低限、カストディ・監査法人・ISINコードがあるかどうか調べる

これだけ覚えておけば、大半の詐欺ものは回避できるでしょう。

1人でも多くの方に参考になれば幸いです。

補足

また久しぶりの更新になってしまいました。

取りあえず某お笑いタレントによる巨額投資トラブルのニュースを観て、この最低限の投資基準は書く必要があるな~と。

実はこの基準、海外投資における内容であり、長年徹底している事だったりします。投資において一番NGなのは「投資したファンドの成績がクソだった」ではなく「投資したファンドが実は詐欺だった」ですからね。

ぶっちゃけここらの話は基本中の基本の筈なのですが、何故か日本では全くされていないですね。

ま、、、国内をみてみると、驚く程カストディを設定していない投資案件が多くあったりしますからね。カストディを設定していないという事は、やろうと思えば粉飾し放題という事ですからね。

当然、カストディ設定は無料ではないので少しでも経費削減して~という考えも分からないではないです。が、最初は善意の心をもって動いていても、悪意の心が芽生えないとは限らないですからね。(最初はまともに運用していたが、魔が差して気が付いたら~というケース、世の中多いです)

カストディ・監査法人の設定及びISINコード取得していないものは投資非推奨、こうすれば詐欺被害の大半は防げるのに、何で金融庁はこれやらないんだろ???

 

……最近、投資ネタばかりになっていて「何だ、このHPは……保険の内容はどこいったんだよ!」と思われている方も多いかも、ですね。次回あたりは投資ネタ以外のものでも書ければ、と。……コロナ増で小説だったらごめんなさい笑(一応、それなりに書き溜めてはいる)

 

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