設楽のり子の生保営業暴露日記

第二部 第8話 それぞれの気持ち

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第二部 第8話 それぞれの気持ち

 小橋チームは細かく分けると、小橋チーム、設楽チーム、吉畑チームの3つ、そして、営業部長チームである。

 あくる日、小橋リーダーも営業部長も何故かすっきりした顔をして朝礼に望んでいた。

「あ~。これで7月戦に集中することができるわ。のり子、吉畑、小橋チームみんなで、新たな気持ちで頑張っていくわよ!』

(みんなウンザリ顔している)

……ほぼ同時に、遠くで営業部長の声が聞こえた。

「俺の指示に従えば、7月選は大丈夫だ!! ────」

……2人とも思い思いの7月戦を描いているようである。

 私達はまだ、野放し状態でよかったものの、営業部長チームの2人は、悲劇である。そう、その2人とは──前藤&畑口である。

(あ~、嫌になっちゃうよ……)

こんな声が今にもテレパシーの如く聞こえてきそうだ。

 そして、2人やはり専門部や他の班の人達から、異様な目で見られていた。まさに『はりつけ状態』とはこの事で、彼女達の席は、真ん中の営業部長の真ん前の特等席であったが為に。嫌でも、2人だけの班は、注目されざるを得なかった。

──なんであの2人だけあの席なの?

私の班員になった神田さんから手紙が回ってきた。

『小橋リーダーが2人と合わなくて、営業部長にすがりついたのよ。あの人、ちょっと勘違いしてるみたいだけど』

さっと、手紙を返した。営業部長はまるで不良を公正させる熱血教師に陶酔しているようで、彼女たち の気持ちや小橋リーダーの企みをまるで理解していない様子。こうして営業部長+2人をみてると、「ジャイアン気持ち良く歌う」「観客はウンザリ」という図式をみているようだ。

……のび太君達は……あんな感じだったんだろうな……

なんかちょっと漫画にトリップしてみた設楽だった。

 

 はりきるジャイアン。
 うんざりの2人。
 そんな風景を見てニヤリと笑う小橋リーダー。
 気がついたらリーダーになってオロオロしてる設楽&吉畑。
 さらに訳の分からない他の小橋チームのみんな。
 途方にくれている他のみなさん……

 どうなるんだ7月戦。まだ6月の契約もあがってないのに……小橋リーダーと営業部長のペースにひきずられていく支部なのであった。

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