#11 プロデュース♪
──2日後
「さて、取りあえず絵をかいたよ。……引かないでね」
「あ、多分大丈夫です^^」
「先日、思いついたのはさ、軽く言ったけど、フェチ層を開拓という事ね」
「……確かに言ってましたね」
「下着──売れるんじゃないかな、って」
「──え?」
「ブルセラショップって聞いた事ある?」
「あ、聞いた事はあります。確か……使用済下着を売ってるお店ですよね?」
「そう! ブルセラショップが成り立つなら、個人で直接販売したらもっと高価で売れるんじゃないかな、ってね」
「……えっと、そんなの買う人っているんですか?」
「一応この街にもブルセラショップが3件程あったから、需要あるんじゃないかな~って。で、もしかしたら今の時代、そういうマニアな下着個人売買の掲示板とかあるんじゃないかな~って思って調べてみた訳」
「……」
「そしたら、ドンピシャ。特にこのHPの掲示板の書き込み、見てみて」
「──! 地域別でこの街もありますね、これ。で、1日にかなりの書き込みありますね」
「需要があるから、これだけの供給者、書き込みがあるのかな~って」
「……だけど、実際ホントに問い合わせ、来ますかね?」
「──と言うだろうと思ったから、昨日試しに書き込みしてみた訳。で、これが──その結果ね」
「──! 50件以上?!」
「まだ問い合わせが来ただけだから何とも言えないけど、こんな一文でこれだけ来る訳だから、もう少し募集文とか練りこんだりしていったらかなりいけるんじゃないかな、ってね」
「でも、儲けってそうないんじゃ──」
「そこも調査済。パンツだったら手渡しで3,000円-5,000円くらい、生脱ぎなら5,000円-8,000円が相場っぽいね。流石に下着の値段は知らんけど、例えば1枚500円くらいで安く買ってそれを売れば、凄い利益率になるんじゃないかな、と」
「こ、これは……もしかしたらオイシイかも……!」
「でしょ? 生脱ぎだとして、恐らくそれに要する時間は数分。仮に8,000円で売れたとして、元値を差し引いて7,500円の儲けだね。さらに、この市場ならまずユキさんの市場とバッティングしないだろうからね」
「素晴らしいです! 更に付け加えるなら、こういうフェチ層はMの方の割合も高いでしょうから、危ない人のリスクもかなり低くなるでしょうし、私のオテテ等のオプションも付加出来れば、さらに凄い売り上げになりそうですし」
「おぉ、流石頭の回転早いね。ただ、一つ問題あるんだけど……」
「え? 何ですか?」
「……パンツの手渡しや生脱ぎ、当然ユキさんの役目になるんだけど──」
「あ、その程度全然大丈夫に決まってるじゃないですか~。NG行為以外なら何とも思いません♪」
「……じゃ、やってみる?」
「えぇ、試しにやってみましょう^^ ただ、よくこんな事、すぐに思いつきましたね……いくらたくみさん頭がキレるっていっても、ちょっと手際良すぎですし。……そんな性癖あったんですか?」
「いや、俺もちょっとはM入ってるかもだけど、Hネタの大半は現場仕事で会う人達から仕入れたものかな。あの人達、女の話とギャンブルの話ばっかしてるし、それに大半のお金つぎ込んでるみたいだし」
「……確かに現場の人達ってそんなイメージですね」
「風俗やソープの話とか、援交でJ●買ったとか、AV女優の話とか……当然、フェチの話も、ね。おかげで訳の分からん下ネタ知識は人一倍ついたかな」
「wwwwww」
「その知識を元にアダルトHPも内緒で運用しているし」
「……は?」
「あれ? これ言ってなかったっけ?」
「初耳です! どうしてそんな事までやってるんですか!」
「いや~、単純にアダルト系って儲かるかな~というのと、HP運営のスキルアップの為という理由だよ。……意外に儲からないけどね、これ。月15万程度にしかならないし」
「……微妙にぷちヒットしてるみたいだし……」
「お? そんな事まで詳しいんだ」
「伊達に裏社会の住人じゃないですからね……」
「ま、このバックボーンがあったらパッと閃いた訳よ。一応、これが俺の裏の顔ってヤツかな? 誰も知らないし、これは」
「うぅ……たくみさんの本業のお客さんや奥さんや子供さん、可哀相。表ではいい人ぶって、裏ではこんな事してるなんて……」
「バレなきゃ問題ないでしょ、絶対バレない自信あるし。って、ユキさんも似たようなもんじゃん」
「ま、その通りですね。私はお金さえ入ってこればOKですから、フェチ層ってヤツ、狙ってみましょう♪」
「了解」
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