第1話 入社動機
設楽は生保業界に入社する前はとある会社の従業員をしておりました。
ある日お店に一人の異様なオーラを発した、見るからに『私はヤリ手の生保レディよ!』という女性(おばさん)が現れ保険を勧めに来ました。
初対面なのにいきなり「保険、入ってる?」とか「生年月日は?」「いくらぐらいの値段だったら大丈夫?」等と、実に馴れ馴れしく話し掛けてきました。
よくありがちなパターンなのですが、私の上司の紹介だったので無愛想な態度も出来ずしぶしぶ生年月日を教えました。彼女、その時メモをとるもの持っていませんでした。だから、私は絶対覚えてないと思い「私の生年月日覚えてたら明日話を聞いてもいいですョ」と言いました。
──翌日、彼女はやってきました、設計書をもって! 覚えてたんです、私の生年月日。きっとトイレにでもいってる時にすかさずメモ帳にでもかいておいたんですよネ。うまい!!
先日は『この人初対面なのに馴れ馴れしくてとても失礼な人だわ』と思っていましたが、この日はそれに輪をかけて酷い。まるで『あなたと私はもう何年も友達なの』って感じ。なんてズーズーしい。かなり気分を概したのですが、実は保険に少し関心を持っていたので黙って話を聞いていた。
話すこと一時間、彼女の独特の引き込む様なトークの末、保険に入ってしまっていました。気がついたらサインしていた……
それから医師の健康診断等で2回程彼女と会う機会がありました。その時、誘いを受けたんです。
「うちで働かない?」
彼女の独特な口ぶりや甘い誘惑にのせられ、気がついたら生保業界に足を踏みいれていました。保険に入るは新入社員になるは、私ってとってもいいお客さんでしたネ。
あ、生保レディになりたい人は入社するまで自分の保険に入ってはいけません。あとでとても大変ですョ!
ここに登場するヤリ手の生保レディなんですが、彼女は今後私の暴露日記にたびたび登場する重要人物、そうですね~、メインキャストの一人になります。
──仮に小橋としておきます。
後に小橋は私の生保レディ人生のリーダーとして活躍(?)していきます。私を、いえみんなを破滅の道へ導いていくことになる彼女。
彼女と私の出会いは(生保レディになった経緯は)こんな感じでした。
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