第10話 小橋チーム
小橋チームは毎月班のノルマを達成するという端から見ればとても優秀なチームだった。しかしチームワークは最悪だった。その原因は小橋リーダーにあった。彼女は何か組織員に用事や言いたいことがある場合、決まっていつもの喫茶店に一人ずつ呼び出しする。営業職員がかたまって行動を取るようになるのを避ける為らしい。それならそれでいいのだが、話の内容は人のうわさ話ばかりだった。
『○○ちゃんはこんな所がとても優れててすばらしいのよ』
『○○ちゃんはこんな事言うけど、マイナス思考だよね』
『○○ちゃんはもう今月のノルマ達成できそうよ』
『○○ちゃんは全然見込みがなさそうなんだけど、来月は大きな保険が取れそうなの』
etc…
他人を良く言うも悪くいうも聞いてる本人にしてはあまりいい気分ではないし仕事の話をするのはいい事であるかもしれないが、私達営業職員は自分のペースで仕事をしているので他人の事は別に関係ない。それこそ自分に変なプレッシャーをかけてしまう。
きっと他の子たちにもこんな話してたのであろう。肝心の仕事のやり方とかは全然教えてくれないし……
私達は少しずつ疲れていった。
(この仕事って、誰の為に何の為にやってるんだろう……)
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