診断の実際~貯蓄編(オフショア情報?)~

貯蓄診断の実際:オフショア講座(7)

診断の実際~貯蓄編(オフショア情報?)~
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オフショア講座(7)

リスクヘッジのリスクをヘッジする!?

保険資産もヘッジしよう

保険の本来の目的は、起こり得るリスクをヘッジすることにある。死亡リスク然り、被災リスク然り。

よって、最近流行りのデリバティブと、基本概念は同一である。その証拠に、保険料も、オプション料も、英語ではPremiumと呼び、リスクテイクの対価と表現している。

さて、掛捨ての保険は、保険料のほとんどが確率(死亡率、被災率など)と経費率で決まるので比較的単純だが、運用利回りがモノを言うユニットリンク型や、ユニバーサルライフ、日本で言えば変額保険に加入していた場合、保険資産のリスクヘッジが必要になる。厳密には、保険資産を含む保有金融資産のリスクヘッジである。

例えば、ちょっと先進的な保険だと思って、世界バランス型とでも言うべきファンドにリンクする保険に加入していたとする。世界中の株に分散投資し、さらに、株だけではなく、固定利付きで元本保証性の高い債券にも投資するという典型的なパターンである。(せっかく数十種類の選択肢があるオフショア生保のファンドメニューを見ても、つい、日本でお馴染みのパターンにはまってしまうのが、ちょっと悲しいが、どうも日本人にはこれが一番安全に映るらしい)

言うまでもなく、株・債券・為替のトリプル安に襲われてしまったら、上記のポートフォリオはひとたまりもない。株の比率が大きければ、世界的な経済低迷時には、これまたなす術もなく、じりじりと含み損が増えて行くのを眺めているだけである。

こういう時に限って、どうしてもまとまった資金が必要になったり、臆病風に吹かれて、含み損に耐えられず、損切り(=解約)してしまったりする。

では、どうしたら冷静沈着にいられるのだろうか。実に簡単明快、ヘッジしておけばいいのである。

世界株へのエクスポージャーが大きいと思ったら、世界株式指数と逆相関あるいは相関の低いヘッジ・ファンドを適量組み合わせておく。

ファンド選択が適切であれば、ポートフォリオ全体のボラティリティー(変動幅)は、ぐっと低くなり、どんな相場環境でも安定的にリターンが出る資産ができ上がる。

もちろん、大儲けもしない代わりに、大赤字もない。

「面倒だからと運用先も確認せず一任していたら逆鞘で破綻してしまった」では、もう済まされない。

これは、自分で宿題をせず、友人のを丸写しにしたら間違っていた、と友人を責めるのに似ている。

小さな保険金額であれば、そう目くじらを立てることもなかろうが、PPBのように大きな金額であればあるほど、ヘッジも含めた綿密なポートフォリオ・マネージメントが必要になる。

ところが、当然、本業に忙しい顧客にそんな時間もなければ、金融機関での特別な経験がない限りノウハウも情報源もない。

だからこそ、ファイナンシャル・プランナーの出番がある。

保険の勧誘はその気になれば誰でもすぐできるが、ポートフォリオ・マネージメントは一生のサービスであり、プロの仕事である

保険資産も金融資産の一つと見て、総合的なリスクヘッジをしてこそ、本来の目的を発揮してくれるのだと思う。

次回は、誤解の多いヘッジファンドについて、基本的な戦略を紹介する。
PPBを通して組み込む時の参考になれば幸いである。


※この次回は…前の方に書いたヘッジファンドの文章そのものです。
貯蓄診断の実際:ヘッジファンド
...

補足

師匠の講座第7回目です。

IB及びPPBに関しては、現在自分の十八番の分野だったりします。この基礎になるものとしてポートフォリオ構築があるのですが、これに関しては徹底的に叩き込まれ、そして勉強しました。

保険の勧誘は誰でもできる、FPの真価はこのポートフォリオ・マネジメント能力の有無で問われるもの

こう教わりましたからね。

この意見を聞いて「いやいや、保険販売だって大変だよ。売った事もない頭でっかちにとやかく言われる筋合いはね~よ」というツッコミを入れる人もいるかもしれません。

が・・・師匠は「自分が唯一といっていい程認める、キングオブ化け物(営業においても)」ですからね・・・

ちょっと話を戻します。

主軸を決め、その後リスクを軽減する為に主軸と相関性の低いものを組み合わせていくというごく当たり前の流れですが、びっくりするくらいこのポートフォリオ構築ができないFPの人ばかりです。

挙句の果てに「いや、IBやPPBはポートフォリオ構築がメンドクサイから、いいや!」とまさかの放棄をするFPや業者ばかりになって、、現時点でPPBを扱う日本人は自分のみになっているという・・・

って、この考えで積み立てに逃げるFPや業者も多いですが、積み立てだってポートフォリオ構築は必要の筈なんですがね・・・

「いや~、数学はどうしても苦手でね・・・」

こういう人も何人も見てきましたが、数字に弱い人が何故FPをやっているんだ、と何度心の中で突っ込んでいた事か。。。

そもそも、数学が苦手というのは「やってないだけだろが!」と声を大にして言いたいです。分からなければ、単に高校数学(これがちんぷんかんぷんなら中学に戻るだけ)を気合でやり直せばいいだけですから。。。

えぇ、少なくとも自分は数学チャート式を買ってきてやり直しましたぜ。

FPではない一般の人にここまでやれや、とは流石に言いませんが、FPの人、、いや、金融業界に携わる人は「最低限、高校数学はマスターするべし」というのは酷な話ですかね?(自分はそう思わない)

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