大きな声では言えない生保会社の裏事情 ~vol.39~
前書き
本編です。
今回はズバリ! 『破たん』について。
先日、第百生命が破たんしました。(事実上) ここは東邦生命と同じパターンだった為、比較的予想しやすかったですねぇ。
が、これはあくまでも保険に詳しい人の場合。普通の人が分かるかといえば分からなかったでしょう。
『うちは絶対大丈夫です』な~んて営業の人(担当の人)がいえば、ねぇ。
『他社中傷誹謗』というものの為にまともな情報が契約者につたわらなかったともいえます。
破たんしたらどうなるか?
危ない会社の見分け方は?
が~っとかいていきます。
生命保険会社の破たん
先日、第百生命が破たんしました。
以下、新聞の記事の抜粋です。
第百生命の実質債務超過 情報開示なく負担増
経営破たんした第百生命保険の債務超過の一部は、第百生命が支払う保険金の減額など保険契約者の負担で穴埋めされる見込みになった。第百生命は1999年3月末で400億円規模の実質債務超過だったが、それが放置されたまま破たん処理が遅れ、実質債務超過が1222億円にまで拡大されたためだ。
情報開示や監督行政の制度上の不備が、保険契約者の負担を増大させるという問題点が浮き彫りになった。
一件の電話がありました。
『たくみ君、久しぶり。実は私の友達が第百生命入ってたんだけど、どーなるの???』
話を聞くと、あと三年で満期を迎える養老保険。恐らく満期金のカットがかなりあるのでは? と答えたら、
『え~っそれじゃサギじゃん! 営業の人が大丈夫っていってたらしいのに』
おっしゃる通りです。
他社の人が『ここは◯◯という理由で危ないよ』というのは『他社中傷誹謗』で禁じられています。もしもこれが発覚したらそこの保険会社が訴えてくるんです。(以前東邦生命の人に文句をボロクソいわれた)
じゃ、新聞とかで『やばいよ』という情報が出たか? 出てないですねぇ。
全く酷い話です。
契約保護法
2001年3月末までのものです。
- 保護機構により保険契約の継続が保証されます。ご契約している生命保険会社の経営が万一破綻した場合でも、その保険がなくなってしまう心配はいりません。その会社の保険契約は、救済保険会社または保護機構によって継続されます。
- 責任準備金等の9割を補償します。補償範囲は再保険を除いたすべての保険契約で、責任準備金(将来の保険金等の支払いを確実に行うために積み立てている準備金)等の90%が補償されます。
- 2001年3月末まで、特例措置が適用されます。特例措置として、個人保険・団体保険等の死亡保険金・入院給付金等については、その全額が支払われるほか、個人年金保険・財形保険・財形年金保険については責任準備金等の全額が補償されます。 ※なお保険契約移転の際、予定利率の変更等による契約条件変更の可能性もあります。
- 補償のための資金として、4,000億円を事前に積み立てます。生命保険会社の経営が破綻した場合でも、これらの補償に備えて保護機構では毎年資金を積み立て、累計4,000億円までを準備します。また保護機構はこれとは別に必要な資金を借り入れられるほか、2001年3月末までは、日銀からの借り入れ、債務に対する政府保証も可能です。
- 経営の健全性の維持・向上に努めます。しかし何よりもまず大切なのは、破綻することのない健全な経営を確保することです。生命保険各社は、事業費効率の向上や資産内容の健全化などに全力を傾けるとともに、より一層充実したディスクロージャーを推進することで、信頼される経営に努めていきます。
~社団法人生命保険協会より~
要するに、2001年3月まではある程度保障ものは保障するけど、貯蓄ものは元本割れするかもしれないけど許してねというものですね。
2001年4月以降
それじゃ、それ以降はどーなるかというと、以上の保護がなくなるわけですから、さらに条件が悪くなる可能性が高いです。
最悪、『破たんしましたので、お金は一銭もでません。すいません』な~んてことになるかも。国は自己責任だからしょうがないでしょ、といってるし。
ヤバい会社の見分け方
ある程度破たんしそうなとこは予想できます。
~外資に吸収合併された~
東邦生命・第百生命と同じ道を歩んできてますので、これらの会社はヤバいといえます。日本団体生命・協栄生命なんかが当てはまります。(あくまでも可能性が高いだろうという独断と偏見です)
~格付け会社のデーターを参考にする~
個人的にムーディーズ等の格付けでA未満の所はヤバいのでは? と思います。(AAAが最高でCが最低という基準)
格付けは機関投資家が投資リスクを把握するために発表していますが、97年11月以降、格付け会社に直接情報を入手したいという一般個人からの問い合わせが増えています。基本的にはあくまでも法人企業向けですが、個人にも無料で情報を提供しています。
ムーディーズ (FAX)03-3593-9563
スタンダード&プアーズ(TEL)03-3593-8711
日本公社債研究所 http://www.jbri.co.jp
日本格付研究所 http://www.jcr.co.jp
日本インベスターズサービス http://www.nis-net.co.jp
ただ、山一証券が自主廃業を検討中と報道された11月22日、インターネット上で日本公社債研究所の格付けを閲覧したら、山一証券は「A」と評価されていました。格付け会社の格付けが後追いするケースも実際にあるので、必ずしも先見性があるとはいえないのです。
注意したいのは格付け会社によって評価が異なることです。国内系より外国の方が投資家よりで、厳しい格付けを行うと言われています。いずれにしても、企業の評価は大変難しいことです。複数の格付け会社が「A」に評価している場合はまず安全といえるでしょう。
結論
ヤバい会社とは契約しない。もしも加入しているのであれば、解約するケースも考える。という事でしょう。
会社が破たんした場合、損するのは自分なのですから情報収集を怠らないようにするのが今後いっそう大切になっていくでしょう。
非常~にカタい内容でしたねぇ。
まぁいま旬な話題ですから。
このメルマガが機となり、一人でも多くの人が保険を見直してくれたら幸いです。
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