例えばこんなつきあい方

例えばこんなつきあい方 #13 デート~候補地巡り~

#13 デート~候補地巡り~例えばこんなつきあい方
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#13 デート~候補地巡り~

「ふと、今ネカフェの場所ってどこでやってる?」

「●駅のAっていうネカフェ、それにたくみさんと再会した▲駅のBですね」

「そこでやってる理由は?」

「会員制ではないですし、ある程度広くて店員のチェックも甘いんです。会員制だと素性がネカフェにバレちゃいますし、何より会員じゃない人だと絶対来ませんから」

「なるほど」

「後は立地、途中で外出可か否か、フラットシートがあるかどうか、カップルシートがあるかどうか等もあります」

「なるほど、了解」

「ただ、出来ればもう少し場所の分散したいですね。出禁くらったりするケースだってあるでしょうし、同じ場所ばかりだと業者だと思われたりしちゃいますし」

「……じゃ、手始めにネカフェ新規開拓に行く?」

「はい♪ 行きましょう~」

■1件目、C店

「取りあえずネットで検索して条件に当てはまりそうな場所をピックして実際来てみたけど、ここどう?」

「ん~、オープン席との距離が近すぎてちょっと目立ちそうです。ここはダメですね」

「了解、次いこか」

■3件目、E店

「ここは?」

「悪くないですけど、ちょっと説明するのに難しい場所ですから、NGです」

■5件目、G店

「ここは?」

「いいかも! ちゃんと鍵もかかりますし、いい感じに静かですし。ここ、候補にしましょう! あ、ちょっと疲れましたので、ここで休んでいきません?」

「あ、そうだね」

「そういえば、こないだ────」

「──! へぇ~、そんな事があったんだ~」

「でね♪────」

──30分後

(コンコン……)

「あ、はい……」

「すいません、静かにして貰えないでしょうか? 他のお客様からクレームが入りまして……」(by.店員)

「あ、す、すいません……」

「よろしくお願いします」(店員退散)

「……そんな声、大きかったかなぁ。まさか店員来るとは思わなかったよ」

「たまたまですよ。それで話の続きなんですけど~♪────」

──更に30分後

(コンコンコンコン!)

「あ、はい。今度は何でしょう?」

「他のお客様の迷惑になりますので、出て行って下さい!!」

「え? 別に喋っちゃダメって書いてないじゃん」

「限度っていうものがあります! お代は結構ですから、2度と来ないで下さい!!」

──追い出された後の車内での会話

「……生まれて初めて出禁喰らっちゃったよ」

「wwwwww」

「喋っちゃダメなら、その旨最初に伝えておけっつ~の」

「wwwwww」

「クレーム入れる客も大概だよ。話声が気になるなら、図書館いって勉強でもしてろっつ~の」

「www その通りなんですけど、ほら……隣の人達、してたじゃないですか」

「ん? 何を?」

「狭いカップルシートで男女がする事なんて、普通は一つですよね?」

「──は? Hしてたの? ま、まさか~」

「いやぁ、今の時代、ネカフェをホテル代わりにするカップルは多いですよ? だから、話声が気になって出来なかったんじゃないですか?」

「うわ、それは悪い事したかも」

「い~え、いい気味ですよ。まさか苦情が入って出禁になるとは思いませんでしたが、そのつもりでちょっと声大きく話してましたので♪」

「ぅわ……まさか意図的だったとは……男の人、これがきっかけでインポになったりして──ヒド!」

「wwwwww」

──ユキの悪戯心(嫌がらせ?)も相まって候補地探しは想像以上に難航……2日間で20件のネカフェを巡り、実に4件もの出禁をくらう事となった2人であった。

補足?

ネカフェをホテル代わりに使っているカップルが多いという話、最初は「何言ってるんだ、そんな事ある筈ないじゃないか」と思ってました。が、結論から書くと「どうやら事実」っぽいです。

素で間違えて違うブースを開けてしまった事が何度かあるのですが、うち何回か現場を目撃するハメに……えぇ、その時の気まずさといったらもう……

ちなみに当然ながらネカフェでそういう行為は禁止の筈なのですが……少なくとも自分はそれで店員が注意等していたりというケースは見た事ないですね。多分ですが、見て見ぬフリ……なんでしょうね。

……そんな輩達が隣にいる時、決まってユキは「目を輝かせながら」ちょっと大きな声で喋りまくってました。えぇ、意図的に邪魔する気満々という感じで……

「ネカフェをホテル代わりにしようとする男、何か腹立ちません? ホテル代すらケチる男なんて女性の敵以外なにものでもないじゃないですか。だから私のしている事は世直しなんですよ」

こんな事、言ってましたなぁ……
このユキのせいで一体何度出禁喰らった事か……

あ、如何にもリアルな話の様に書いていますが、フィクションですからね、この物語は。

 

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