診断の実際~貯蓄編(オフショア情報?)~

貯蓄診断の実際:オフショア講座(5)

診断の実際~貯蓄編(オフショア情報?)~
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オフショア講座(5)

高額相続対策と海外で加入する保険について

なぜ、富裕層は海を渡るのか

日本でも、高額相続税対策に生命保険を利用する富裕層はいるらしいが、どうも、使われ方が海外とは違うようだ。

本来、人生の最期にまとまったキャッシュを創造する生命保険は、相続税支払原資(キャッシュ)が足りない相続人にとって、最もコストの低い資金調達方法のはずである。

ところが、日本の終身保険で相続税支払原資を遺そうとしても、そもそも、保険料が高すぎて、採算が合わない。

相続税問題が頭をよぎるようになるのは、熟年以降のことが多いから、例えば、60歳になってから、10億円の終身保険に加入しようとしても、まず、国内では引き受けてくれる保険会社が見つからないと聞く。(海外なら、89歳の老人だって、新規に終身保険に加入できるのに…である)

その点、海外やオフショアの生命保険はどうだろう。

上記の60歳の高齢加入の例で言えば、健康状態にもよるが、3億円ほどの一時払保険料で10億円の終身保険に加入することができる。(通常、年齢による加入限度額は設けていない)

商品によっては、提携先の銀行が、保険契約を担保に、一時払保険料の大部分を融資してくれることもあるから、実質、手持ちのキャッシュがゼロに近くても、相続税支払資金を効率よく準備することができる。

現行の保険業法では、外国保険事業者と締結した生命保険契約に基づいて死亡給付金が支払われた場合は、保険料の支払人と被保険者、受取人の関係に関わらず、一時所得の対象となる。

よって、死亡保険金額と保険料との差額に、最高でも25%が課税されるだけである。(半額課税、50万円の控除枠あり)

もっとも、この不思議な保険業法が、早晩、改められて、みなし相続資産と判断される可能性も大いにあるので、節税を目的に外国生保信仰に走るのは避けたい。

さて、以上は相続人が日本居住の場合であるが、相続人が日本の非居住者であれば、国外にある資産については、相続税の対象外となる。(もっとも、最近、税制が改正され、臨終前に突然都合良く「非居住者」にならないよう、双方共、非居住者歴5年以上という縛りができてしまったが)

この場合、25%どころか、住んでいる場所によっては、非課税で保険金を受取れるわけだ。

富裕層が海を渡るのは、風光明媚な隠居先を求めてのことではなく、この辺りに起因するのかも知れない。

お粗末なタックスプラン

欧米でも事情は似たり寄ったりだが、彼らは保険名義人を信託とし、相続人は死亡保険金の直接の受取人としてではなく、信託受益人となるようなスキームを組むことが多い。

あるいは、海外やオフショアに法人を設立し、法人が保険の契約者になる、という原始的なスキームで十分機能する国もある。規制の厳しい日本から見れば、うらやましい限りである。

前者は、いくら資産の所有権が個人から信託に移ろうと、日本では、最終的な受益人を事実上の相続人と見なす判例があるから、実務的には無理だろう。後者も、日本の場合、現在はタックスヘイブン税制により、海外子会社と見なされると、国内総合課税の対象になるので、これも実際にはワークしない。オフショアの代理株主制度を使うから大丈夫、と胸を張っている業者もいるが、実質的な支配権の所在を追及されればそれまでである。

最近では、外国生保を利用した相続税対策の話が、富裕層を中心に取り沙汰される機会が多くなったが、相変わらず、お粗末なプランしかお目にかかったことがない。
恐らく、日本の税務を知らない海外の保険代理店と、オフショア金融商品の知識のない日本の税理士がタッグを組むから、こういうおかしな相続対策プランが出回るのだろう。

どれも、実際に相続が発生したら、最高税率が適用される確率が大なので、欧米諸国で通用するからと言って、むやみに飛びつくのは早計である。

日本人には、日本人用のプランが必要なことを肝に命じておこう。

補足

師匠の連載第5回目です。

改めてこの回を見ていて・・・一体師匠はどんな所で連載をしていたんだ、と笑

どこかで触れる事になるか分からんですが、皆さんは富裕層というといくらからを想像するでしょうか?

日本ではどうなのかは分からんですが、少なくとも海外金融において1億円以下はリテール扱いなのが現状です。特にPBあたりだと、1億程度だと「ゴミ投資家」扱いされロクに動いてくれません。

自分の感覚ですと、ある程度まともに動いてくれるレベルは300万ドル(大雑把に3億超)くらいから、といった感じです。(PBの話です)

では明確なミニマム(最低投資額)があるか? というと・・・例えば毎年10万ドル追加投資していくよ~という人の場合、50万ドルくらいでも普通に引き受けてくれたりします。(過去、毎月3万ドル投資するという方が、10万ドルからスタートしていた)

と、話が逸れました。

自分はいわゆる「富裕層」相手、要するに今回の講座で出てくる様な額は扱った事もなければ問い合わせすら来た事ありません。

現実には日本でも「富裕層」という方達は存在する訳ですが、一体どういう所に相談しているのでしょうね?

ちょっと古いですが、漫画家の鳥山明とか普通にスキーム組んでますし、武富士の会長等もゴニョゴニョやってましたし・・・恐らくこれからも、ドカンと一財を築いた人の一部は「自分の知らないどこかの化け物」が色々やっていくのでしょうね。

 

「日本版ファミリーオフィスをやってみたい」

師匠がよく言っていた事です。各プロフェッショナルを揃えて、超富裕層を相手にチームを組んでやっていく、という話。

自分は・・・現段階では「それはいいかな・・・」と思ってます。そっちの世界にいってしまうと、確実にリテール(=一般庶民層、いわゆる普通の人達)を切り捨てる形になってしまうので。それは・・・一般庶民の心を忘れてしまう事とイコールになってしまいますし。。(自分はいち庶民に過ぎません)

・・・とかいいながら、100億くらいの案件が仮に舞い込んでいたら「は? リテール? そんな話してましたっけ? オホホホ・・・」なんて言ってるかもしれないですけどね笑

って、全然補足にもなってないですね、すいません。

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