たくみの営業暴露日記

たくみの営業暴露日記~最後の210日~第14話:男心・・・?(前半)

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第14話:男心・・・?(前半)

──翌日、例のカラオケ店にて

「今日はたくみちゃんに男のいろはを教えてあげる♡」

「え、えっと……今日は今までで一番ぶっ飛んでますね……ただ、伊織さんの事だから、何か深い意味があるんですよね? (ゴクリッ)……お、俺、キレイな身体のままでいたいんですが……伊織さんがどうしてもって言うなら……俺の初めて、捧げますよ。……痛くない様にして……下さいね」

「違うわよ! そういう話じゃないから!」

「あれ? てっきり伊織さん、俺に女心を教える為に俺の後ろを犯すものとばかり……乙女の俺の決死の覚悟、返して下さいよ……」

「たくみちゃんはこれ以上女心を知る必要ないから! たくみちゃんが知らなきゃいけないのは男心だから!」

「……意味分かりません。俺、男ですよ? 男心なんて伊織さんに教えて貰うまでもなく知ってるに決まってるじゃないですか」

「い~や、絶対知らないね! だってたくみちゃん、男気が全然ないからね!」

「い、いや……俺も多少は男気ありますよ……自分で言うのも何ですが、俺だって男らしい部分の一つや二つくらい……高倉健とか任侠の男に憧れますし」

「じゃ、たくみちゃん……今まで女の子の下着盗んだ事ある?」

「あ、ある筈ないじゃないですか……」

「痴漢した事は?」

「ないに決まってるじゃないですか……」

「女の子を買った事は?」

「ないですよ」

「買おうと思ってる男の人、どう思う?」

「この世から抹殺したいですよ、そんなクズ達は……」

「ほ~ら、やっぱり。たくみちゃんは、男の隠れた真実を知らなすぎるのよ。例えばたくみちゃんの憧れてる健さんは実はドスケベで女にだらしない甘えっ子なんだから!」

「な、何を……健さんに限って──」

「勝野君だって、あ~見えて赤ちゃんプレイマニアだし」

「……いくら伊織さんでも、怒りますよ? そんな事、ある筈ないじゃないですか!」

「たくみちゃんは男の人に幻想を抱きすぎてるのよ。世の中の大半の男は、汚らわしい欲望を抱えて生きているのが現実だから!」

「それ、伊織さんの偏見ですって……確かに夜の街にいく男の人はそうかもですが、そうじゃない男の人が大半ですって。じゃないと、社会が回る筈ないじゃないですか」

「……これ以上言っても無駄の様ね。論より証拠……私がたくみちゃんの目を覚まさせてあげる!」

「えっと……どうやって?」

「このサイトを使って……男が如何に醜い生き物かって……思い知らせてあげるわ!」

「──?! な、何ですか、このいかがわしいHPは……出会い系掲示板?」

「これから私の一文の書き込みによって……1時間以内に目の前のコンビニの前は男の人でごった返す事になるわ」

「ま、まさか~。そんな事ある筈ないじゃないですか。みんなそこまで暇じゃないですって」

「賭けてもいいわよ? そうね……20人集まらなかったら私の負けでいいわ。その時はたくみちゃんの大好きなJKの制服着てデートしてあげる」

「い、いや……何か勘違いしてる様ですが、俺、そんな趣味ないですって……」

「……九重ちゃんに制服着せて観覧車乗ってたクセに……」

「──?! やっぱり見たんですか? あの時は──」

「ぅわ~、ホントに? たくみちゃん、変態にも程があるよ……」

「……伊織さん、ホントカマかけの天才ですね……ただ、変態プレイしてないですって。学校忍び込んで貰った帰りにお礼の意味も込めて遊園地デートしただけですよ」

「……制服で学校に忍び込ませるだけで死ぬ程恥ずかしいのに、さらに追い打ちで遊園地まで……何て恐ろしい恥辱プレイを考え付くのかしら……想像しただけで卒倒しそうだわ……流石、キラーキング……」

「あ……けど、伊織さんも意外と制服似合いますよね。今度、九重と3人で高校の文化祭いきません?」

「そんな変態プレーは九重ちゃんとだけにしなさいよ! 私の人生終わらす気?」

「い、いや……九重が高校に潜り込んで写真撮ってくるくらいなら営業かじった人なら誰でもできるって言ってたので、伊織さんなら余裕で高校生に混じって文化祭──」

「できる訳ないでしょ! そんな事できるのは日本中探しても九重ちゃんくらいだから!」

「何事もやってみなくちゃ分からないですか。諦めたらそこで試合終了って安西先生も言ってたじゃないですか」

「クッ……痛いところを……」

「伊織さんなら絶対いけますって! こないだ九重が伊織さんの顔写真使ってアイコラ作った時、普通に似合ってましたし」

「訳分からない事してるんじゃないわよ! この変態カップルが! それにしても……クッ……九重ちゃんのPCスキルを侮っていた私のミスだわ……まさか私の写メをそんな風に使うなんて……」

「丁度、この近くのデパートで制服を──」

──ブーッブーッブーッ……(伊織さんの携帯のバイブ音)

「あ~ら残念、どうやら私の制服姿は幻に終わりそうね。賭けは……私の勝ちよ!」

「い、いきなり何を言うんですか。ここから外が見える訳でもなし、外の音が聞こえる訳でもなし……分かる筈ないじゃないですか」

「フフッ……今日のカラオケのシフトは山下君……これだけ言えば分かるかしら?」

「ま、まさか──最初から全て計算通り……だった? 一体いつ……から?」

「少なくとも私のスケジュール帳に今日の予定は……1週間前から入ってたわ」

「──?! い、意味分かりません。1週間前からって……俺、少なくとも3日前までは日高ちゃんを選ぶ気満々でしたよ?」

「ほ~ら、やっぱり。裏を返せば昨日の結果は必然だったって事じゃない。な~にが俺、フラれました、なのよ。九重ちゃんをけしかけてそういう結果になる様にしただけじゃん。……ホント、あんなびっくりする程の上玉を、何て勿体ない……」

「あ……ま、またカマかけ? ク、クソ……何で何度もひかかってしまうんだ、俺は……け、けど……何で俺が寸でで心変わりすると思ったんです?」

「そんなの決まってるじゃない……たくみちゃんがノーマルで満足できる筈ないじゃない。たくみちゃんは──変態ドMだからね!」

「……!」

「人の本質を把握すれば、行動予測は難しい話じゃないから。これも……プロファイリングよ!」

「す……凄いです……過去だけではなく未来までも……な、何か伊織さんが神々しく見えます! 思わず手を合わせて拝みたくなっちゃいます!」

「フフッ……もっと私を褒め称えなさい……気分は悪くなくってよ」

「お、俺……伊織さんの信者になっちゃいそうです」

「フフフッ……私の写メを携帯の待ち受けにしてもよろしくってよ」

「あ、ありがとうございます! では早速、九重の作成した例のアイコラ──」

「それは削除しなさいよ!」

「wwwwww」

「ったく……さて、これでたくみちゃん、自分の弱点がよく分かったでしょ?」

「……男心が分からなければ、先読みもクソもない……って事ですね? た、確かに、今の俺に大きく欠けてる点ですね……俺、どうしたら……」

「だ・か・ら、言ったでしょ? 私が男のいろはを教えてあげるって。……一歩間違えば危ない道一直線という程、乙女心の持ち主である変態のたくみちゃんが男心まで理解したとしたら……面白い事になると思わない?」

「ほ、本当に……ありがとうございます! 俺、何したらいいですか? 何でもやりますよ~」

「じゃ、手始めに……たくみちゃんは、女の子に変身よ!」

「──な、何……?」

「今日から、たくみちゃんの名前は──みのりちゃんよ!」

「──?!」

男心を教えるという事で、加藤にみのりという女の子に変身を命じた畑口。果たして、その真実は……?

(こんなくだらない話が……後半へ続く?)

挿話?

今までで一番どーでもいい下らない話に思われるかもですが・・・ある意味この「特訓?」が今の自分を作った礎になっていたりします。

ま、詳しくは後半にて。(微妙に長くなりそうだったので、前半・後半と分けました)

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