転換した契約を元に戻す経緯

転換した契約を元に戻すまでの経緯(1)

転換した契約を元に戻す経緯
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転換した契約を元に戻すまでの経緯(1)

はじめに

相談者は30代半ばの独身女性。結婚予定はトクになし。契約転換をしてしまったが…実際よかったのかどうか? 素朴に疑問。出来れば元に戻したいが…

こんな案件でした。
転換したばかりの内容をみると「酷い」の一言。よくもまぁこんなプランを作れるものだ…と──

以下、まずは保険解説部分です。
暫くはタンタンと進みますが、かな~りお茶目なやりとりが。

思わぬ長篇となった「転換リターン編」、どうぞ!

保険内容

まず転換された今の保険について。

死亡保障:3000万円(15年更新)

うち

終身………500万
定期………1900万
三大疾病…300万
疾病障害…300万

※死亡保障とは病気を含む全ての死亡に対する保障です。

◆入院関係(全て15年更新で更新時に保険料が上がります)

入院給付…………日額5000円
女性疾病で入院…日額1万円
ガンで入院………日額1.7万円
通院………………日額3000円

________________

現時点での保険料……16,096円

>>>保険料のうちわけ<<<

終身(貯蓄部分)…… 4,373円
掛捨部分……………… 11,723円

※掛捨て部分はお金は戻ってきません。

死亡保障のうちの大半が掛捨て

この3000万の保障のうち、実に2500万が『15年更新定期保険』です。

この定期保険というのは『15年の間に死んだら保険を払うよ、けど死ななかったらチャラよ』というものです。そうです、保険料の大半は『掛捨て』によって戻ってこないのです。

ちなみに『15年以降も続ける事は出来るけど、保険料は高くなるからね』というものであり、『更新は80歳までしか出来ないよ、えっ、それで死ななかったら今まで払ったお金は? 掛捨てだから一円も戻ってこないよ』というものです。

…って、、53歳の更新時にて…保険料が32,533円、恐らくこれは10年ですので…63歳時更新したら……5万は越すでしょう。。
73歳時なんて、、、、一体いくらになるだろうか……

「こんなに払えね~よ!!!」

と、素朴に。。

証券の左下の部分を見て下さい。
解約金がかいてありますが、これは『500万の終身保険』のお金が全てです。
殆どは『掛捨て』部分に保険料はつぎ込まれています。

終身保険とは?

終身保険とは何かといいますと、払込みを終了したら一生涯保障を続けますというものです。いずれお金を保険会社は払わなければならない為、貯蓄性が多少あります。

この契約では『500万』の終身がついています。

って…この終身、、、払込みが…終身になってる……
しかもステップ払い。。

貯蓄もなにも…前回の契約から比べてガタガタです。。

ステップ払いとは?
最初の15年は通常より安くなるが…以後、通常より高くなる払い方。当然、通常払いの方が総払込は少なくなる。

三大疾病

「三大疾病になったらお金が出るよ」

一見、「おぉ、いい保険や」と思うでしょう。
はい、自分もそう思っていました。
が…これは「なかなか出ない」というカラクリがあります。

ガンについて………上皮内ガン(いわゆる初期癌)では出ない
脳卒中・心筋梗塞…60日の労働制限が出る場合以外は出ない

高い保険料を払って、結果「出ないよ」といわれるのがオチ。(当然、貰える可能性もあるが、かな~り少ないでしょう)

404 エラー : @niftyホームページサービス

御参照下さい

【疾病障害】

「ペースメーカーやインスリン治療だと銭かかるから、必要だよ~」

こんな売り文句です。
うちの親父、1年前に心筋梗塞になって、ペースメーカーを入れる・入れないという話になりました。

この費用が実に700万。

「うわ、この特約つけとけば~」

と思ったのですが…医者の一言。

「いや、ペースメーカーを入れるという事は障害者認定がおりるので、費用は全て国から出るよ」

と、、、全ての疾病においてこれはいえる訳でして……よって、「別になくてもなんら問題ないもの」といえますので、これもいらないでしょう。

入院関連の特約について

15年更新であり、80歳まで更新できます。(今は終身に移行できるかな?)

もちろん更新ごとに保険料はあがります。アホみたいに……保険料もグワっと上がっていくのは目にみえてますな。。

どういうふうに契約は続くか?

◯更新をしていった場合◯
殆どが掛捨てですので、更新ごとに保険料はあがっていきます。

~53まで……16,096円
~63まで……32,533円
~73まで……5万はこえるであろう
それ以降………いくらになるのか想像すら出来ない(笑)

◯更新をしなかった場合◯
~保険料は終身保険料のみとなります。

総括

もう…かくまでもないかもしれません。。

「3000万も死亡保障必要ですか???」

保険金受取りは、お母様です。
当然、3000万入れば嬉しいでしょうが…必須ではないでしょう。

現在お母様が60歳と仮定したとして、90歳まで生きると仮定します。で、Aさんが現在家に5万入れているとした場合、、

5万×12ヶ月×30年=1800万

仮に3万入れているとしたら、

3万×12ヶ月×30年=1080万

別に親にお金いれなくても生活可能(親が)という風でしたら、せいぜい自己の葬式代程度、300万もあれば十分でしょう。(別に50万あれば葬式で足は出ないと考えられるので、現在の貯金100万で十分賄えるといえる)

現在の死亡保険金の考え方自体は、あくまでも「傷心費用」という気持ちとなります。逆の立場、親の立場からしてみれば「子どもが死亡して銭貰うなんてとんでもない」と考えるかもしれませんしね。

そもそも、死亡保障が必要な人はどういう人でしょうか?

「その人が死亡する事により金銭的ダメージが発生する為、それを補うもの」

これが死亡保障の考え方です。
そう考えると、死亡保障が必要な人は「家族の経済を支えている人」という事になります。そう、殆どの場合が「旦那さん」「大黒柱」となります。

では、Aさんの現状はどうでしょうか?

保険とは「万が一」の為のものです。
確かに「万が一」に備える事も必要ですが、必要以上に保険をかける事は正しいでしょうか? その分、貯蓄など生きる為にお金を使った方がよほどか有意義ではないでしょうか?

Aさんにとって、一番ヘッジをかけるべきは…自己の老後資金でしょう。もしもこのまま「独身」だったとして、老後助けてくれる子どもはいない訳ですから、自己による対策が全てとなります。

『自分が死亡すれば、親の老後は安泰だが、、生きていたら厳しい。自分の老後は…考えるだけでも恐ろしい』

これでは…本末転倒ですから(笑)
と、、「3000万なんて到底必要ないよ」というのを力説してみました。

引き続き、「転換の実体」を。

見直し「転換」とは?

まず下をみて下さい。

H1年時点
終身保険1000万円……月 7,200円

H12現在
終身保険1000万円……月14,000円

同じ保険なのに保険料が倍近く変わっているのが分かると思います。何故かといいますと、『予定利率』というものが変わっているからです。

H1は予定利率が5.5%でした。
現在は予定利率が2.0%。

予定利率が低いという事はそれだけ『保険料が上がる』という事なんです。

転換とは、『以前の利率のよかったものを解約させ、現在の利率の低いものに加入させる』というものなのです。

詳しくかいていきます。

転換とは?

もともと、予定利率の高いものの中の『終身部分』などの貯蓄性があるものは、保険会社にとって『損』になります。ただ、保険の性質上、契約時点の利回りは絶対に保障しなければなりません。

よって、『その部分を現在の低い利率にすりかえる』事が必要と保険会社は考えました。
そこで出てきたのが『転換』です。

『3大疾病がでましたから』
『保障を大きくしませんか?』
『更新で保険料が上がりますから、こっちに変えた方がおトクですよ』
etc…

話を他の方へもっていって、実際のお金の損得にはふれない様にする。まるで『借金の自動車操業』みたいですね。

具体的に損得を記します。

H1年時点での終身1000万=7,200円(30年払込)
総払込=7,200円×12ヶ月×30年=2,592,000円

H11年時点での終身1000万=14,000円(30年払込)
総払込=14,000円×12ヶ月×30年=5,040,000円

そうです、転換によって、この差額だけ会社はトクするのです。
この場合だと、2,448,000円!

これが『実体』です。

転換とは

『現在の保険を解約して、その解約金を新しい保険に頭金としていれる』

という事なんです。

今までのたまりの部分は『おじゃん』になるのです!

今回の見直しの実体

もう……酷いの一言です。

<終身額>

前回……終身1200万
今回……終身 500万

<予定利率>

前回……5.5%
今回……2.0or1.75%

<払込み>

前回……55歳払込
今回……終身払込(生きてる間ずっと払うという意味)

<払い方>

前回……標準払込
今回……ステップ払込

で、、、証券左下を。

・主契約について    うち契約転換特則の保険金額  1,324,900円
・定期保険特約について うち~~~~~        5,034,600円

で、1年目の解約金が89万となっていますね?
どういう事か?といいますと…

44.5万を頭金にいれ、今の終身500万にいれた。
44.5万を頭金にいれ、今の定期保険1900万にいれた。

…こんな意味です。

転換の時点で…定期に突っ込んだという事は…44.5万をドブに捨てたとも。。
(毎年、44.5万より減っていき、、15年後にはゼロになる)
終身に突っ込んだのにしても…そうですねぇ、、

「プラチナ指輪を下取りに出し、銅の指輪を購入した」

と表現すればいいでしょうか。。。

まとめ

と……この転換自体、、「転換での鬼の部分のほぼ大半を駆使した」アホンダラァのモノといえます。

結論として…「何がなんでも元の契約に戻し、そこから考える」です。

補足?

もうこれは10年以上前のものなのか、としみじみ思います。自分で言うのも何ですが、当時はビックリマークを多用して少々不快な文章書いているなぁ、と・・・笑

と、自分の過去の拙い文章は置いといて、内容的には今でも普通に価値のある内容でしょう。ホントはこの転換についてはもっと問題化されないといけないのに、何故かどこも深く取り上げないですね。

人によっては大きな保障が欲しいという事で必ずしも悪とは言えないのも事実。が、この「現在独身女性で特に結婚予定もない」という人に「55歳払込終身という貯蓄性高いものから終身払込の高額死亡保障」は客観的に見ても狂気の沙汰としか言いようがありません。

恐らく今現在も日々「似たような狂気の沙汰ともいえる転換」が行われているのでしょうね。

いずれ消費者金融のグレーゾーンの如く「転換で大きくマイナスになったものは戻ってくる」とかならないかな、、弁護士さん、今度はこれ、目つけません??下手すると消費者金融のグレーゾーンよりビッグビジネスになり得ますよ~。

って、流石に弁護士さんは見てないか笑

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