たくみの営業暴露日記 grand finale ~美幸・伊織・あすか~
──美幸・伊織・あすかの墓前
「美幸、伊織さん、あすか、元気? 伊織さん、美幸とあすか、一緒の墓に納骨しちゃったけど……良かった? 迷惑じゃなかった? 俺は別々にしようと思ってたけど、一緒にするのが一番だからって……寂しくないからって……3人共姉妹みたいなもので親友だからって、美子が……非常識でごめん」
「…………」
「あすか、元気? そっちは楽しい? 伊織さんとはともかく、美幸と上手くやってる? ちょっと心配だよ。あすか、人見知り激しいし。ま、美幸は伊織さんと似てるから大丈夫か。……ご飯おいしいし。……何かあすかと伊織さんが美幸にご飯の催促する姿が手に取るように見える気がするよ……ちょっとは手伝いしないとダメだよ? 伊織さんはともかく、あすかは一応料理できるんだから、さ」
「…………」
「ちなみにさ、ホントは俺もそっちに行く予定だったけど……寸での所で13歳の少女に止められたよ。……知ってるでしょ? あの時、3人と話した気するけど、単なる夢だったのかな? それともホントに……? 後、あの少女、ユキって言ってたけど……名前も誕生日も一緒で、どことなく面影あったけど……あの子はもしかして伊織さんの……?」
「…………」
「後、3人に報告する事があるよ……ちょっと言いにくいけど……俺、美子と一緒になる事になったよ。……ビックリの展開だよね……特に美幸は驚いてるんじゃない?」
「…………」
「明日、またあの教会で式挙げるよ。……同じ相手に父親役と新郎役で出た事あるヤツなんて、世界広しといえども、俺くらいかも……教会の人、滅茶苦茶唖然としてたよ」
「…………」
「あれから美子が……離婚までして俺の面倒見てくれて……一緒に寝てくれて……気が付いたら……美子は中3の頃から知ってるから、何か複雑だけどね」
「…………」
「9歳も年下なのに、何故か尻に敷かれてるよ……情けない……異様に嫉妬深くて、仕事で女性と会うだけで凄い剣幕になるから大変だよ……それが可愛いんだけどね」
「…………」
「でもさ、こないだ男友達と楽しそうに話してやんの。俺という男がありながら、何考えてるんだろうね。……美子、可愛いからいっつも不安だよ。って、年上の男はもっとドンッと余裕をもって構えないとダメだよね……ってごめん、こんな話しちゃって……」
「…………」
「俺……今、幸せだよ。……これで良かったのかな……?」
「…………」
「正直いつまで生きられるか分からんけど……こっちにいる間は精一杯楽しんで幸せになるよ。……ちょっとそっち逝くの遅くなるかもだけど、気長に待ってて」
「…………」
「──お兄~ちゃん、やっぱりここにいた。ま~たお姉ちゃん達と話してたの?」
「あ、い、いや……結婚の報告しておこうと思ってね」
「……どうせ私の悪口言ってたんでしょ~」
「そ、そんな事言う筈ないじゃん!」
「どうだかね~、どうせ男友達と話してるのは如何なものか、とか言ってたんでしょ?」
「い、いや……別に何とも思ってないから。そんな事で腹を立てる程、器小さくないって。俺、大人の男だから」
「本当に~? じゃ、今度ケンちゃん達と旅行にいってきていい?」
「……え? そ、それは……」
「え~、大人の男はそれくらい何とも思わないんじゃないの~?」
「……ごめんなさい(ボソッ)」
「え? な~に? 聞こえないな~。私に分かりやすい様にもっとはっきり言って!」
「……ごめんなさい、ケンちゃん達と旅行にいかないで下さい! 嫉妬で狂いそうです!」
「もう~♪ そんなに私がいいの? じゃ、キスしてくれたらいかないであげる♡」
「……好きだよ、美子(チュッ)」
「──♡」
「……ま、こんな感じでやってるわ。──じゃ、あすか、伊織さん、美幸……また!」
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