たくみの営業暴露日記 Last Epilogue #2 運命の少女(2)
──さらに翌日
「お・じ・さん♡ 昨日はありがとうございました。……私の初めての味は如何でしたか?」
「……君をベッドに運んでからそのまま帰ったよ……って、初めてって……何?」
「え? 初めてってそういう意味ですよ? ……ホントに何もしなかったんですか?」
「……ま、今更何を聞いても驚かないけどね。……えぇ、服一枚脱がしてないですよ」
「おじさん、ホモなんですか?」
「ホモでも不能でもないけどね。……普通の男は手出さないって」
「お父さん、しょっちゅう若い子にお酒飲ませて手出してますよ?」
「……意外にクズなんだ、君のお父さん」
「いや、そんなもんじゃないですか? 男の人なんて」
「……15歳の子が言う台詞じゃないって、それ……」
「私、ませてますから♪ だから、初めての経験に幻想も何も抱いてません」
「ま、それはいいんだけど……何で俺にこだわってるの? まさか、俺がタイプとか?」
「いえ! 全くタイプではありません! 汚れるなら、徹底的に汚れたいと思ったからです!」
「……微妙に傷つくなぁ……」
「後、私と同じ匂いがしたから。……おじさん、この世に絶望している様な」
「……え?」
「私……不治の病なんです。30歳まで生きれない可能性が高いんです」
「……いきなりぶっこんでくるねぇ。けど、30歳くらいまでは生きられるんでしょ? ……なら、いいじゃん」
「──?! け、けど……身体がどんどん不自由になっていくんですよ? 悲惨じゃないですか!」
「けど、まだ元気じゃん」
「──?! い、いつ症状が進行するか分からないんですよ? 怖くないです?」
「俺だって似た様なものだけど、少なくとも症状でどうこうは考えた事はなかったなぁ。考えようによっちゃ、ラッキーだし」
「……え?」
「単純に人の1/3の寿命と仮定するなら、人の3倍の速さで生きればいいだけじゃん。年取ってから出来る事なんて少ない訳だから、若いうちにやりたい事全てやって太く短く生きればいいだけだし」
「…………」
「歴史上の偉人達なんてみんな短命だよ? 坂本龍馬とか高杉晋作とか。彼等の人生は普通の人より濃度の高いものだったと思わない?」
「…………」
「処女で身体を売る度胸があるなら、もっと頭使ってビジネス化するとか、色々あるじゃん。彼氏だって一度に何人も作ればいいし、やろうと思えばナンボでも出来るじゃん」
「…………」
「ちなみに、不良少女より普通の子のが受けがいい筈だから、自分を商品化するなら自分の適性を把握した方がいいだろうね。やるからには徹底してやらないと」
「…………」
「後、勉強もやっておいた方がいいね。周りの目を誤魔化す事にもなるし、受けもいいし。ちょっと違うかもだけど、文武両道ってヤツだね」
「…………」
「表は優等生、裏ではくだらない男からお金巻き上げて荒稼ぎとか、カッコいいじゃん」
「…………」
「ま、要するに考えようによってはどうとでもなるって事だね。悲劇のヒロインを演じたって得られるものなんかないって。どうせならそれを利用しなきゃ」
「……何か凄いクサい事、言いますね。……内容は酷いけど」
「と、ごめん……何でこんな事、喋ったんだろ……今の話は忘れ──」
「ただ……胸に刺さりました。そっか、援助交際も頭を使ってビジネス化という発想もあるんだ。彼氏も同時に何人も作っていいんだ……なるほど……」
「い、いや……例えば~、の話だよ? あんまり真に受けないで?」
「……確かに身体売るのは病気のリスクもあるし、効率的じゃないか。なら……オテテかお口? あ、風俗が本番禁止なのは病気リスクがあるからか……なるほどなるほど……」
「ちょ、ちょっと?」
「あ……お口でも病気リスクあるって本に書いてあったっけ。……なら、オテテのみ? それで需要あるのかなぁ? おじさん、どう思います?」
「あ……い、いや……中学生の美少女相手だったらそれでも十分需要あると思うけど」
「……やっぱりそうですよね! おじさん、私のオテテ、いくらが妥当だと思います?」
「え? ……い、1万くらい?」
「──! そんなに貰えるんだ! おじさん、男の人って逝くのにどれくらいかかります?」
「あ……い、いや……人それぞれだと思うけど、10分から15分くらい?」
「なるほど~……なら、30分に1人相手して……5時間で10万……フフフッ、私、セレブになれるじゃん!」
「い、いや……そもそも場所はどこでするのさ? カラオケやホテルだと補導されるかもしれないじゃん」
「あ、そっか……じゃ、人目がないトイレとか車の中とか──」
「それだと男の人が力づくで来たらどうするのさ。君、柔道でもやって実は強いっていうなら話は別だけど」
「あ……そういうリスクも考えなくちゃいけないのか。……どこだったらいいと思います?」
「……確実かどうか分からんけど、ネカフェとか? ネカフェなら危ない目にあいそうになったら大声出せばいいじゃん。……相手だって、そういうリスク考えるだろうから、抑止力になるし」
「──! そっか! おじさん、冴えてる~。これで……いける……! おじさん、ありがとうございました! おかげで目が覚めました! 生きる希望が湧いてきました!」
「……お、俺……な、何か凄いいけない事してしまった気がする様な……」
「そんな事ないですって~。1人の少女の命を救った様なものですよ? 誇りに思っていいくらいです!」
「……よく分からんけど、ありがと……」
……よく分からない流れで、1人の少女に生きる希望を与える事に。……内容は滅茶苦茶だけど……
補足?
はい、滅茶滅茶ですね笑
悲劇のヒロイン演じようとしてたから、な~んかムカついて(?)、やるからには本格的に徹底的にビジネス化してやれよ、甘えるな、このタコ! みたいな事を言ったら何故か異様に感銘を与えてしまったという・・・
結論から書くと、演じるもなにも、本当の話だったんですけどね・・・
ただ、
「それは大変だね。けど、自暴自棄になってはダメだよ。自分をもっと大事にして、健全に生きようよ」
こんな上辺だけの話をしたとして、この子に感銘を与える事は絶対できなかった、というのも事実かな。。。
これのどこが人生最大の罪なのか・・・今回だけでは意味不明かもですが、まぁ、おいおいと・・・
次回が一番書きたかった内容、この為に延々とエピローグを書いていた様なものです。
「小説でもやらない様な、数奇な半生の集大成」
かな~り衝撃を受けると思います。
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