大きな声では言えない生保会社の裏事情 ~vol.04~
はじめに
いよいよ11月戦。保険重大月。盛り上がってます。保険屋だけが。いま、会社に監査が抜き打ちで入ったらどうなるだろう?(分かる人には分かるはず)
まめ知識~自爆~
自爆、これは営業職員が自ら保険に入る(入らされる?)事である。まぁ、自社に入るのは当たり前(?)かもしれないが殆どの場合保険契約が苦しいときに入る、もしくは上司から「入れ!!」と半ば強制的に入らされる。
というのもだいたいの保険会社は0件の場合、非常に給料が低くなる仕組みになっている為である。会社も「0件?そんなやつは屑だ」みたいに思っているのだろう。
あと「職選」の為にも使われる。会社によってそれぞれだがわが社の場合年間○○件やったら給料体系が良くなる、いわゆる年棒制みたいな給料体系だ。職選があと○件足りないという時も「自爆」は良く使われる。ケースによっては「自爆」した方が収支がよくなる事もある。
この自爆は1回だけではすまされない。2回、3回と気が弱い人はくり返す。成績の為に、特約なしの高倍率定期付終身を。保険料は高くなり、給料が圧迫されていく悪循環により辞めていった人を何人見ただろう….
そう、この重大月に「自爆」が多いかな。会社のわけの分からない加重ノルマによって。
機会があったら生保職員に「自分はどんなのやってるの?」と聞いてみておもしろいかも。まぁ素直に本当の内容はいわないだろうけど。
読者から?のQ&A
こんにちは、このメールマガジン発行協力者の「早乙女」です。たくみ氏より質問のメールが届いきました。この内容が読者のみなさまにお伝えしたほうが良いものであると考えましたので、Q&Aのコーナーを利用させていただいて回答したいと思います。
Q:やっぱり会社実名はまずいですか?何か法律にひかかっちゃうんですか?
A:法律には抵触しておりません。実名を発表したほうが分かりやすく、リアリティが出るのですが、何らかの利害が発生しますので、避けたほうが懸命と判断させていただきました。
例えば、B社のセールスの方の勧めで、既存のA社の保険から新たにB社の保険に乗り換えたとします。こう聞くと、一般的にはA社の既存の保険がB社の保険に劣る印象がありますが、A社の新しく開発された保険とB社の保険がほぼ同じかもしれません(今回A社には声をかけなかったので、この情報を知らなかったとします)。ほぼ同じであれば、A社で乗り換えた方が有利だったかもしれません。
※以上は実名公表が読者に与える利害について説明するための仮定条件です。それゆえこの仮定条件に対するご意見・ご批判は一切うけたまわりません。
以上は例えでしたが、保険会社が多く、さらにその取り扱い商品も多い現在の状況では単純に「会社名」あるいは「商品名」のみでの判断は危険だと思います。また、その保険会社全体の営業方針、あるいは支店や営業所ごとの営業方針、直接の上司の方の営業方針、おみえになるセールスの方の営業方針などが複雑にからみあっているでしょう。
現実問題、私の終身保険(特約一切なし)をとある保険会社のセールスに見せたところ、非常におどろいてこう言いました。
「これまで数年間いろいろな保険証券をみてきましたが、「この会社」の終身保険単体というものは初めてみました。よほどセールスの方が良心的だったのですね。」
つまり、「この会社」の方針としては終身保険単体の契約は邪道だったのですが、セールスの方が顧客よりの営業姿勢だったということなのです。
考えはじめるときりがないのですが、掲載された保険会社にとって有利にしろ、不利にしろ、何らかの利害が発生してしまうのは、このメールマガジンの編集方針から外れてしまうのではないかと考えているのです。ですからみなさまからの「投稿」に関しましては、実名は一切ふせさせていただきます。
なお、たくみ氏個人に宛てたメールに関しましては以上の限りではありません。
メールマガジン側の勝手なお願いではございますが、ご協力おねがい申し上げます。
日記
10月26日、全員大会(決起大会)が行われた。何をやるかといえばまぁみんな集めて「重大月はいつもの3倍やれ」みたいな事をいわれるだけ。
流れは
- 1.営業所別成果発表営業所別成果発表….拠点長がそれぞれ発表。ハッピと鉢巻きをして。成果がいいと「ドン!ドン!ドン!」と太鼓をたたきほめたたえる。それだけ。
- 2.第一報売り上げベスト10壇上によばれ、ほめたたえられる。記念品が貰える。去年は自分も表彰されたっけ。まぁ、600人を壇上から見るのは悪い気はしなかったけど、特になにもメリットはなかった。記念品は「テレホンカード」
- 3.支社長の演説59歳の人で戦争が好きな様で「特攻隊になって攻撃せぃ」と理解しがたい話を聞かされる。8割の人は寝てると思う。
- 4.代表職員演説「みんな、頑張ろうや!」みたいな話。
- 5.歌をうたう全員起立して「社歌」等を唄う。今年は「燃えよ!ドラゴンズ」の替え歌だった。ふぅ。
約2時間、無駄な時間とお金を会社はよく使う。こんな事にお金使うんじゃなくて、もっと給料増やせ!!(心の叫び)
国内生保の行事は何かと時代遅れなものが多い。外資生保の人によく「無駄なことやってるねぇ」といわれる。全くその通り。伝統やらに縛られてフットワークが悪い、時代について行けてないと思う。きっと外資系の人はハナで笑っていることであろう。
ちょっと一言
よくメールで「重大月に保険に入ると良い事あるの?」と質問を受けます。答えは「NO」です。保険料は変わりませんし、「保険月だからよろしくお願いします」なんていうのはお客さんには一切関係ありません。
強いてあげるなら、
- ギフトが貰える
- イベントに招待される
- 入りやすい(保険契約がいつもの月より多くなり、さらに契約をなるべく多く成立させようとするので、診査が若干あまい。多少の事なら無条件になりやすい?)
ということです。
まぁ、保険を見直すきっかけができると思えば良いかも知れません。保険の内容はよく忘れがちですので。
逆に営業職員にとっては案外メリットがあったりします。会社の基準を達成したら旅行にいけたり、食事会(パーティ)に出れたり、賞金がでたり等。だからいつもうるさい保険レディがさらに勢いを増して保険を勧めるのです。
基本的に国内生保は「義理、人情、プレゼント」を武器に攻撃してきます。「いつも来てもらって悪いから」「プレゼント貰ったし」と保険に入ったという人の話をよく聞きます。
「保険月」(重大月)はこれらの武器を最大限に使ってきます。気をつけて下さい。
保険、その意味は?よく考えてください。
義理や人情で入るものではありません。必要性があってはじめてはいるものです。
次号予告
引き続き保険重大月についてかいていきたいと思います。
「重大月に保険加入してなんかいいことあるの?」
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