第29話:みのりちゃんの不思議な知り合い
愛の逃避行~それ、ヤバイよね~
「ふんふふっふーん♪」(鼻歌交じりにスマホ弄っているみのり嬢の図)
「……また何か買うもの物色してるの?」
「あ、いえ。ちょっと昔の知り合いとやり取りしてまして」
「ほぅ、中学の同級生?」
「あ、いいぇ、お店の前の店長さんです」
「──ん?」
「ほら、私たまに風俗行ってたじゃないですか。その時雇ってくれた人なんです」
「ほほぅ、その店長さん、他の店舗に異動でもしたの?」
「あ、いえ。なんか辞めちゃって今何してるか分からないんですけど──あ、レス来た。……ぅわぁ、子供もうすぐ産まれるんだ~。美琴ちゃんの子かぁ、そっか〜、へぇ〜……」
「──ん? その奥さんも知り合いなの?」
「あ、はい。お店の子でした」
「……要するにお店の子とデキちゃって、辞めさせられたんだ」
「あれ? そうなるのかな?? 急にいなくなっちゃったのは確かだけど」
「……思いっきりヤバイんじゃない? そういうのバレたら、こういう業界は……」
「ん? そうなんですか?? 社内恋愛みたいなものだからいいんじゃないです?」
「いやいやいや、商品に手だしたら、タダじゃ済まないって……」
「え~、そんな事ないですって~」
「じゃ、なんで急に店長さんいなくなったのさ?」
「ん~~……、遠くで住みたいと思ったとか?」
「……今、遠くにいるんだ」
「きっとラーメン屋さんにでもなりたかったのかな? 何はともあれ、オメデト~~、っと♪」
──裏の世界で生きている割に、裏社会の現実をイマイチ分かっていないみのりちゃんでした。
AVに知り合いを売った?
「そういえばこないだの人、今度は複数人に見られたいとか言ってたみたいだけど、どうする? ふたばちゃん登場させとく?」
「あ、いえ。単にオナ見るだけですよね。ちょっとアテありますので連絡してみます」
──数分後──
「見るだけならいつでもいいよ~って言ってました♪」
「ほほぅ、同業者ネットワークお持ちなんですなぁ」
「あ、いえ、ちょっとした知り合いの子で、一緒にはした事ないです」
「って、大丈夫なの、その子?」
「あ、全然大丈夫ですよー。AVやってる子ですから」
「──?! んと、元店の子?」
「いえ、違いますよ~。その子にAV紹介したの、私なんです♪」
「……そんな事もしてたの??」
「あ、たまたまですよ~。オテテの仕事で会った人で、AV出る子誰かいない? って言われて、丁度お金困っている子がいてAV出てもいいっていう子いたから、紹介してあげただけです」
「……紹介料いくら貰ったの?」
「んと……確か3万だったかな? 紹介しただけでお金貰えてラッキーでした♪」
──なんて言ったらいいのか、どんな知り合いだったかを怖くて聞けなかったチキンなオヤジでした。
みのりちゃんの普通の知り合い
「えっと、たしかジュンさんって大学受験詳しかったですよね?」
「ん? それなりには。後輩の子の進路相談?」
「いえ、同級生で一浪してる子いるんですけど、女の子で二浪は厳しいですよね」
「ん~~、正直一浪でも厳しいかなぁ。。もしかして医学部志望?」
「そう! そうなんです。私立だと学費がとても払える額じゃないから国公立目指してるんですけど。。」
「ま……普通の家庭じゃ私立は無理だね、医学部は」
「ん~~、早慶の他の学部は受かってるみたいなんだけど、国公立はダメで、、二次募集どうしようかって言ってる──」
「正直、他の学部ならいけるだろうけど、、医学部は……」
「……ですよね。あと一年頑張ったらいけますかねぇ?」
「……正直、あまり可能性高くないような気が……一浪で大体伸び切っちゃうから……」
「ん~~、やっぱりそうですよね……センター失敗したのが響いたんだろうな。。」
「9割いかなかったんだ」
「8割5分前後だったみたいです。ただ、今年は簡単だったみたいで……」
「確かにちょっと厳しい点だねぇ……」
と、ここだけ見たら何の話だよ! という大学進路の話なのでここで以下略。みのりちゃんは地元屈指の進学校に行っていたが為、友達はこういう子も普通にいるのでした。
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