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ドル建て終身の是非

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ドル建て終身の是非

前書き

「ドル建て終身保険どうですか?普通の終身より利回りよくて安いですよ」

最近よく聞くのが、某外資保険など中心に聞くドル建て終身保険です。 まぁ、、別HPで海外金融のHPをやっているくらいなので、自分の所に問い合わせ、よくあります。 最近はどうよ?実はホントに利回り良くなったの?と計算してみると、、、あいかわらずクソみたいな利回りに拍車かかってます。

正直、過去記事と少々ダブるので更新するまでのネタになるかは分からないですが、だだだっと羅列していきます。

ソニー生命ドル建終身保険

ホントはプルデンシャルあたりの例を出したかったのですが、ざっくり検索してHPで保険料例などなかったので。



純粋に利回りだけ計算してみます。 月々の積立額が176.2ドルの25年払いものですね。 これをいろいろ複利計算シートで計算してみます。 25年時の解約金、55350ドルになるように年利の数字をかえていくと、、0.3522%という数字が出てきますね。 ドル建てで年利0.35%って、、、、一体これで何をせいっちゅうのか、、、

メットライフ生命ドル建IS終身保険

ソニーだけだと「ソニーだけが特別クソなんじゃ・・・」と誤解をする方もいるかもしれないので、もう一つメットライフのIS終身を。





月々の積立額が184.4ドルの25年払いものですね。 これをいろいろ複利計算シートで計算してみます。

25年時の解約金、57333ドルになるように年利の数字をかえていくと、、0.274%という数字が出てきますね。 積立利率が4%になっていた場合は、1.5201%という数字。 最低保証が3%(実際の年利は60歳まで払い込んで漸く年0.274%)であり、4%とかは保証されてないよ、と。
※払込終了時に4%になったとして、過去の平均

まぁ、、クソみたいな利回りかつ、「年利3%最低保証」とモロ誤解を招く表記ですよね。。 どこかに書いた記憶ありますが、保険会社がいう利率は年利ではありません。

これを個人年金代わりに提案するなんぞ、、アホか!としかいいようがないです。 (中には学資保険代わりに提案しているという・・・)

ちなみに、月184.4ドルを年利3%で25年積立すると実際には83,097ドルとなります。 はい、全く違いますね。

終身保障というマジック

「いや、確かに利回りは低いけど、保障ついてるから。。。」

こういう営業さんもいるかもしれませんね。なるほど、確かに掛け捨てとは違い、最終的には払込保険料以上になって損はないような気も、、と思うかもです。 が、自分はこう考えます。

「ネット生保の掛け捨て保険かけて、その差額を運用すればいいじゃない」

実際に計算してみます。
某ネット生保より、35歳男性1200万定期保険(60歳満了)の保険料は3,191円となります。 1ドル120円と計算、ソニードル建て終身の保険料が176.2ドルだったので、それに120をかけて円建てにすると21,144円。 差額は17,953円になりますね。 ソニードル建て終身の25年後は55350ドル、これを1ドル120円で円に換算すると、6,642,000円となります。

月々17,953円を25年積立、6,642,000円になるのに必要な年利は、、年1.576%となります。 よって、年1.576%以上で回す事が出来れば、「掛け捨てで保障をかけて残りを運用した方がトク」となります。

はい、、ちょっとでも投資の知識がある方ならば「この程度の数字なら余裕じゃね?」となるでしょう。

「いや、、投資といったら元本割れリスクもあるよね。。確実なものがいいのですが。。。」

こう言われる方もいるかもしれません。
インフレ率など、他にも突っ込みどころが色々ありますが、結論からいうと「保証ものは存在する」です。

ではこのような商品がどこにあるか?というと、、、日本ではともかく海外を視野にいれると普通に出てきますね。 (詳しくは、オフショアクリニックという自分のもう1つのHPを見て下さいませ)

25年という超長期である終身保険で、ドル建てでこの利回りは如何に頂けないか、という事が分かって貰えれば。

何故、ドル建終身を勧めるのか?

そもそも、何故ドル建て終身を提案するのか? 主な理由は以下でしょう。

・円建て終身自体悲惨な利率なので多少マシなドル建でお茶を濁している
・基本外資系や損保系生保はP建てでfeeが決まるので、ぶっちゃけ販売側がオイシイ

まず国内生保の予定利率を調べて見ました。
日本生命だと、、1.15-1.35%、ソニー生命が1.6-1.7%ですか。。

想像以上に悲惨な数字になってますな。 そりゃ、円建て終身なんぞ売れないわ。。

次、feeについて。
これは「販売fee」であり、要するに保険屋さんや代理店の手数料になります。 外資や損保系生保に関しては「保険金額ではなく保険料」に応じてfeeが入る仕組みになっていますので、、 貯蓄という名でクソ高い終身を好んで販売しているに過ぎません。 仮にfeeが国内生保のように保険金ベースになったら、手の平を返したように掛け捨て重視の提案になるでしょうね。

ちょくちょくコンサル云々いう単語を聞きますが、自分から言わせれば「コンサルという名の営業トークじゃん」です。

ま、現実はこんなもんです。

あとがき

何年ぶりかの更新でこのネタでいいのか迷いましたが、最近ちょくちょく「生きてますか?」「活動されていますか??」という連絡を頂戴するので取りあえず「普通に生きていて活動もしていますよ」という証拠としてupしました。

更新をサボっていた、、という訳ではなく、更新しなくとも案外相談に来てくれるのですね。 たまに営業向けの講演やら依頼あったり、、個人的に丁度いい感じの依頼の数になっていたので、気がついたら更新しないで数年経過していました(笑)

HP発足から15年以上の月日が経過、さぞかし保険屋さんのレベルはあがったかな?と思いきや、、殆ど変わってないですね。

ぶっちゃけ、最近よくみる複合代理店も似たようなものです。 (数十社から比較といいつつ、自分に都合のいいfeeのいい商品販売していたり。。)

最近、ちょくちょく「ドル建もの保険」という名を聞くが為、ざっくり書いてみました。 外貨建てなら、選択肢色々あるだろ、と。

保険も金融商品の一部に過ぎません。
保険以外に目を向けてみると、色々な選択肢も見えてくるものですぜ。

それにしても、、こんな苦しいドル建終身とか販売するくらいなら、ユニバーサル保険販売すればいいのに。。 営業スキル・知識の問題で販売は限りなく不可と言われていますが、「ラクして売る事から脱しようよ」と思わずにはいられません。 じゃないと、いずれ海外に貯蓄系シェアの大半を奪われますぜ。

って、さすがに保険会社上層部はここ見ていないか(笑)

なにはともあれ、暫くちょくちょくHP更新していく予定です。 今後ともよろしくお願いします。

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