#8 シスコン・ブラコン
■5日目 万座温泉(石庭露天風呂:混浴)
「お兄ちゃん、お待たせ♡」
「お! 美子ちゃん、似合ってるじゃん、その温泉着」
「ありがと♡ ……意外に混浴って人気なんだね」
「ま、温泉着アリだから、混浴っていうよりプールに近い感あるからね。これなら人の目も気にならないし」
「お兄ちゃん、肩抱いて♡」
「また~? 美子ちゃん、甘えっ子だねぇ……はい」
「♪ お兄ちゃん、だ~い好き♡」
「ありがと。俺も美子ちゃんの事、大好きだよ」
「……えへへ♡」
「えっと……気のせいかな……俺らの周り、誰もいなくなってるんだけど……」
「邪魔しちゃいけないと思ったんじゃない? 兄妹水入らずの♡」
「そ、そう? な、何か特異な目で見られてた気したんだけど……」
「お兄ちゃん、気にしすぎだよ~。仲の良い兄妹だったらこれくらい当たり前だから」
「そ、そう? ならいいけど……」
「お兄ちゃん、キスして♡」
「え? /// これでいい?」(ほっぺにキス)
「違う~。キスっていったら唇にするのが当たり前でしょ!」
「え? 兄妹でそれは……違う様な──」
「────♡」
「ちょ!/// み、美子ちゃん、何を……」
「♪ スキンシップの一種だから。仲の良い兄妹なら誰でもしてるよ? 今度はお兄ちゃんから」
「あ、あぁ……スキンシップね。……────///」
「────/// もっと♡」
「……────///」
「────/// お兄ちゃん、顔真っ赤だよw」
「あ……い、いや……ちょっと温泉、熱いから/// の、のぼせちゃうといけないから、そ、そろそろ出よっか」
「そだね、そろそろいこっか♡」
──部屋までの渡り廊下
「あ~、気持ち良かった♪」
「ちょっと長く入り過ぎたかも。少し頭がクラクラするよ……」
「お兄ちゃん、大丈夫? 肩貸してあげるから」
「い、いや……これくらい大丈夫だから」
「遠慮しないで。私達、兄妹でしょ」
「わ、分かったよ……」
「……えへへ♡」
「き、気のせいかな……な、何か兄妹っていうより、バカップルになっている様な……」
「何言ってるの? 仲の良い兄妹ならみんな当たり前にやってるって。バカップルのうち7割が実は仲の良い兄妹っていう統計あるくらいだし」
「──?! そ、そうなの? 今まで生きてきて初めてそんな話、聞いたけど」
「ほら、アダルトビデオとかで兄妹設定の近親相姦ものとかあるでしょ? 後は妹萌えのアニメとか。それくらいメジャーだから」
「あ……なるほど~。な~んだ、別に異常でも何でもなかったんだ。これが普通だったんだ、良かった~」
「♪」
──部屋(ツインベッド)
「お兄ちゃん、一緒に寝よ♡」
「ん? いいよ~。美子ちゃん、ホント甘えっ子だねぇ」
「えへ♡ また腕枕して♡」
「しょうがないな~。……はい、どーぞ」
「えへ♡ お兄ちゃん、だ~い好き」
「俺もだよ。……美子ちゃんの事、可愛くて可愛くてしょうがないってなってるよ」
「えへへ♡ おやすみ、お兄ちゃん(チュッ)」
「おやすみ、美子ちゃん……zzz」
「……お兄ちゃん、ホント単純だね。……本当の兄妹がこんなにべたべたしたりキスしたり一緒に寝る筈ないじゃない……漫画やアニメじゃないんだから……」
「……zzz」
「それにしてもお兄ちゃん……ホントにシスコンの気、あるんじゃない? こんなにハマると思わなかったよ……別にいいけど……」
「……zzz」
「こんな毎日送ってたら……本当の兄妹になれるかな? ず~っと一緒にいられるかな? 幸せな家族になれるかな?」
「……zzz」
「結婚なんかしなくても……お兄ちゃんとず~っと一緒にいられるなら……私は案外幸せだよ」
「……zzz」
「来年も……再来年も……それからも……また旅行にいこうね……お兄ちゃん」
「……zzz」
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