第18話:パンツメモリー
「……わたし、凄いことに気づいてしまいました」
「ほぉ、どんな事? どうせろくでもない事じゃない?」
「ちょっ、失礼な。今回は本当に凄いんです!」
「まぁ、聞こうか……下痢になりやすい方法とか?」
「ち、違います! 今日はもっと真面目な話です! きっと驚きますよー」
「ま……聞こうか……」
「実は……今日のパンツの仕入れが完売したら──300枚売った事になるんです!」
「──?! い、いつの間にか……そんなに売ったんだ……」
「ね、凄いですよね! パンツだけで210万──仕入れ値を差し引いた純利益で200万という計算になりまーす♪」
「えっと──パンツ売り始めてどれくらいたったっけ?」
「期間は5ヶ月ちょっとですけど、実働日数は60日あるかないかですね」
「単純計算で、1ヶ月100万パンツで稼いだ事になるんだ──恐ろしい……」
「出来れば今年で1,000枚に到達したいですけど、無理ですかね」
「んーー、700枚が現実的ラインだと思うよ。毎日出来る訳ではないしね」
「やっぱり……ん~、ジュンさんもパンツ売って下さい。300枚ノルマで♪」
「……って、まーだ諦めてないの? 絶対無理だって!」
「やってみなきゃ分からないじゃないですかー。生脱ぎの需要あるかもしれませんよ? だーーれもやってないですから、意外に受けたりして」
「……トランクスでもいいかなぁ?」
「ブリーフのがいいと思いますよ♪ 匂い付きやすそうですし。何なら目の前で染み付きにする──」
「絶対イヤ! 1人でも来たら怖いよ! 貞操守りたいよ……」
「大丈夫♪ 何かあったら電話下さい。その時は助けに──」
「絶対助けにならないって!」
「えーーー、一回ボディガード役やってみたかったのにーー」
──何ともほのぼのしたやり取りをする2人。この時が永遠に続くと思われたが……ここからこの物語は衝撃の展開から予想外のラストへと一気に向かっていく。
──第三章完──
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