第13話:楽しそうですね、何で手伝ってくれるんです?
「カタカタカタッ」(メールのやりとりするネカマおっさんの図)
「(じぃーーーっと下からのぞき込むように見つめるみのりちゃん)」
「カタカタカタッ ……フッ」(やり取りが上手くいって思わずほくそ笑むネカマおっさんの図)
「(じぃーーーっとその様子を見てニヤニヤするみのりちゃん)」
「──どうした? じぃっと見つめて。微妙に照れるんだけど……」
「いえ、ホント楽しそうだなーってw で、なーんで手伝ってくれるんだろーって」
「──え?」
「だって、本業やってた方が稼げるじゃないですか、ジュンさんの場合。 なーんで手伝ってくれるんだろーって未だ不思議で」
「んーー、本業ばっかだと煮詰まっちゃうから、いい気晴らしになるしね。 業種違うからこれはこれで新鮮だし。 それに、案外楽しいよ? こうやって駄弁りながら作業するの」
「そうですよね。この仕事、2人でやるべきですよね。1人だとストレスハンパないですし。私は、アポ取って貰ってただ指示があって行くのがこんなラクだとは知りませんでした。空き時間もおしゃべり出来ますし、嫌な事あっても愚痴れますし」
「んー、最近アポ成約率が異様にあがってきたなぁ……俺、これでも食べていけるんじゃないだろうか……」
「ま、いくらアポ取り上手くなっても実行するコ、私がいないとダメですからねー♪」
「ま、みのりちゃん以外の子とする気はサラサラないけどね。んー、勿体ない。今度この腕を披露するのは夏休みかー」
「だから、土日もやりましょーよー♡ 月末だけ、ね♪」
「月1回なら、土日も抜けられる……かなぁ──口実考えなきゃ。ま、あまり期待しないでね」
「いえ、大いに期待してます♪ 2日で30万欲しいです♬」
「……風俗、いや、ソープでも無理でしょ、それ……」
「2日だけ働いてストレスレスで30万稼げるって素敵ですよね♡」
「……聞いてないし……」
──ネカマおっさんのアポスキルの上達ぶりを暖かく見守り、同時にそれに頼り切ろうと目論むみのりちゃんでした。
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