第20話:パソコン
「カタカタカタカタカタカタ……ターン!」
「(じぃーーー)」
「カタカタカタカタカタカタ……ターン!」
「(じぃーーー)」
「ん? どうした? じぃっとこっち見て」
「あ、いやぁ、凄い速さで文章打てて、どうやってるのかなーって」
「ま、普段PCで仕事してるし、流石にスマホよりは絶対速く打てるからね」
「……私の入力速度の5倍はありますよ……なんか異常な速さです」
「いやぁ、慣れれば俺くらいならすぐなれるよ」
「あの、文章を一瞬で貼り付けるの、どうやってるんです?」
「あぁ、スマホと同じ、マウスで選択してこのキーとこのキー押してコピー、ペーストはこのキーとこのキーね。ほら」
「凄ーい! ……やっぱりパソコンあった方が絶対いいですよね。私もこれくらいの速度でやり取りしたいです」
「あれ? 家にあるって言ってたじゃん」
「あれは親のパソコンなので、流石にそれでやる訳にはいかないですし……」
「ま、自分専用のパソコンあった方がいいかもね。何かと使えるし」
「そうですね。お金貯まったらわたくし、パソコン買います!」
「お、いいねー。俺もそろそろパソコン買い替えようかな」
──この何気ないやり取りが、先々少し後悔する事になるとは、想像すら出来ず……
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