Epilogue Risa #6 更に狭い2人だけの世界で……
あれからリサは2週間寝込む事となり、一時も加藤の傍から離れなかった。寝ている時は勿論の事、お風呂、トイレにいく時ですら──
──2週間後
「リサ、久しぶりに外、出よっか。ちょっとずつ身体、慣らさないと……ね」
「……うん」
──玄関から出て数m
「(ガクン)ハァハァハァハァ……」
「──! はい、紙袋。落ち着いて~、ゆ~っくり呼吸して~」
「ハァ……ハァ……ハァ……ハァ……」
「今日はやっぱ外出るの、やめとこうか。何となく俺も外に出る気になれないし、家でゆっくりしよ? ね?」
「……(コクリ)」
──寝室
「……ごめんね」
「ん? 気にしないでいいって。俺も散々世話になったんだから、むしろ嬉しいくらいだよ、リサの看病出来て。……何なら1年くらい寝たきりになっておく?」
「……バカ!」
「wwwwww」
「……ココ、来て!」
「ん? また一緒に寝ればいい? 甘えっ子だねぇ、リサ」
「……い~の! 早く!」
「はいはい……またリサが寝るまで抱き枕になりますよ~」
「……バカ! バカ!」
「俺はずっとそばにいるから。……安心して」
「……バカ! バカ!」
──さらに2週間後
「私……ずっとこのまま……なのかな……」
「大丈夫、きっとそのうち良くなるって。この俺がどうにかなったくらいだし」
「……もし、ずっとこのまま……だったら?」
「ん? 俺は別に構わないよ? これはこれで案外幸せだし。一日中……大好きなリサとくっついて一緒の布団で寝ていられるなんて、ある意味これ以上の贅沢ないし」
「……バカ!」
「この家の中でしか生きられないってのも乙だよね。何か2人きりの世界って感じで、いいじゃん」
「……ホント、バカだね……たくみ」
「幸い、俺の仕事はPC1つあれば一歩も外に出ないでも成り立つし、大半のモノはネットで取り寄せられるし。冗談抜きに何年も──何十年も外に出ないで生活できるかも」
「……そんなの、嫌だよwww」
「ま、流石にこれは大げさだけど、ホントどうとでもなるから、焦らずじぃっくり治していけばいいから、さ。時間だけはたくさんある訳だし、ね」
「……うん、ありがと……」
「さて……また、一緒に横になる?」
「いい……今日は一人で頑張る」
「……またまた~、ホントは一緒に寝たいんでしょ? 隣が寂しいんでしょ? 無理しちゃダメだって~。……俺が寂しいじゃん」
「……バカwww」
山奥の人里離れた凄い田舎の古民家の寝室のみで約1ヶ月間、2人で過ごしていた。自然とすら隔離された狭い空間はまるで世の中に2人きりしか存在しないかの様な錯覚に陥る程だった。こんな異様な生活すら、苦ではなかった。……むしろ、幸せだった。一生このままで構わない……本気でそう思っていた。
補足?
意味不明な事を言いますが、自分が病気になるのも相手が病気になるのも、案外好きだったりします。自身の場合、普段以上に優しく接してくれるのが何とも嬉しくて・・・相手の場合、これまた普段以上に自分を頼ってくれたりわがまま言ってくれるのが何とも嬉しくて・・・ま、当然ながら「治る病気」前提に過ぎませんけどね。
・・・こんな訳分からん性癖(?)になった根本的理由の一つが、コレですかね。(後、畑口の影響もそこそこデカいと思われる)
リサとの生活の日々は何かと刺激的で楽しかったですが、不謹慎極まりないですが、この看病してた時期が一番幸せだったかも。。。
これ、同感してくれる人、世の中にどれくらいいるんだろう・・・
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