第11話:秘書見習い?
──8月下旬頃のとある夕方頃、例の花屋にて
「あ~、今日どうしよう……」
「ん? どうした?」
「あ……実は今日両親が急に出かける事になりましてて、夜ご飯1人で食べてこいって言われたんですよ。ただ、1人で外食は慣れていないので……」
「ん? だったらこれから一緒に飯食いにいく?」
「え? いいんですか? 是非是非♪」
「あ……そういえば1件アポ入ってたんだっけ。……それ終わってからでいい?」
「あ、いいですよ。何だったら、私、隣で話聞いてていいです?」
「──え?」
「一度、加藤さんのお仕事、見てみたかったんです♪」
「べ、別にいいけど……日高ちゃん隣にいて、おかしくないかな……」
「大丈夫ですよ、私、秘書役やりますので。これでも私、秘書検定持ってるんですよ♪」
「……秘……書?」
「一度秘書役やってみたかったんですよ♪ じゃ、早速いきましょう!」
「あ、あぁ……」
──喫茶福井にて
「──え、えっと……加藤さん、こちらの方は?」
「あ、今自分の下で勉強している子です。一緒に同席させても大丈夫ですか?」
「あ、は、はい……」
「初めまして、私、日高と申します。いつも加藤がお世話になっています。どうぞよろしくお願い致します(ニコッ)」
「あ、い、いえ……こ、こちらこそ///」
──1時間後
「加藤さん、凄い人だったんですね。思わず話、聞き入っちゃいました。お客さんも魔法にかかったかのように契約書にサインしてましたし」
「い、いや……今日に関しては明らかに日高ちゃんのおかげだよ。……何で大企業の秘書や受付が美女ばかりなのか、身を持って知ったよ」
「???」
「ホント……何で日高ちゃんみたいな子が花屋にいるのか……勿体ない……」
「よく分からないですが、要するにお役に立てたって事ですよね? なら、良かったです♪」
「じゃ、飯行こっか。今日は奢るよ」
「♪」
以後、加藤はここぞという時に日高ちゃんを同席させる事となり、大きな成果を挙げていく事となる。
そして──さらに加藤は加速していく。
挿話
前回あたりまでは何とか「あ、あぁ……そういう事よくあるよね」的話ですが、今回あたりから「い、いや……これは特異過ぎるよ」となってくるかも。
いわゆるブランディング戦略を自分はある時から多用していました。主に対男性において絶大なる効果を発揮していましたが、対女性においても「警戒心を解く」という点ではそれなりに有効でした。
「美人であればある程、契約は取りやすい」
如何にもゲスな話に聞こえるかもですが、紛れもない事実です。そして、美女を従えているだけで、異様に話がうまくいきやすい・・・これも事実です。
ま・・・これを最初から狙ってやっていたのなら自分は天才そのものですが、単なる偶然の産物に過ぎなかった訳ですけどね笑
夕飯やカラオケ等おごる代わりに、ちょ~っと仕事ついてきて──ホント、この子には異様に助けられました。
さて、ここまでが前菜。
次回より、真打登場。さらにいっそうぶっ飛びます笑
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