第28話:秘密兵器
秘密兵器の威力?
「──と、今度の人は股間の匂い嗅ぎながらのオナミですね。じゃ、準備します。(シュッシュー)」
「お! 念入りですなぁ。もう慣れた?」
「わ、クサッ! え? 慣れる訳ないじゃないですか! ただ、多くの人がこの匂い嗅ぐとトローンとすんです」
「……へぇ──」
「これ、ホントに女子高生の股間の匂いに忠実なのかも。ホント、秘密兵器ですよ、これ」
「だったら、恥ずかしい思いしてアダルトショップで買ってきた甲斐あったよ」
「確か──女子高生の足の裏の匂いのスプレーってのもあるんですよね。今度それも買ってきて下さい♪」
「い、いやいやいや、今度はみのりちゃん行って買ってきてよ」
「え? この私に男性でも恥ずかしい所に行かせる気? だったらストッキングやパンツ代わりに買ってきて下さいよ!」
「……す、すいません、私めが買いに行かさせて頂きます」
「ん、分かればよろしい♪ ではお願いしますね。じゃ、行ってきまーす♫」
──お嬢様育ちは天然で女王様気質でSなのかも……
秘密兵器がいらない日
「……よし、と♪ じゃ、行ってきまーす」
「ちょ、ちょっと待って、忘れてる、例のスプレー」
「あ、今日は大丈夫なんです。 実は昨日、彼氏っぽい人と生でエッチしたんですけど、なんか色々遊んでるみたいで、した次の日、アソコ臭うんです」
「……どう考えても病気だね……」
「えぇ、以前クラちゃんって診断されて薬飲んで治したんです」
「……ただ、その彼はそれ、知らないよ……と」
「そうなんです。だからせっかく治っても彼とするとまたうつっちゃって、の繰り返しです」
「……早く教えた方がいいよ……」
「ま、昨日たまたまで元彼なので当面は会わないからいーんですけどね♪」
「……まぁ、何とも乱れた性生活送ってるねぇ……」
「ま、お金にならない男とは寝ない主義なので、その元彼は当面は無理ですね」
「──え?」
「──え?」
「HはNGじゃなかったの?」
「NGじゃないですけど……ハンパないですよ、私の金欲は」
「……深く聞いてはいけないっぽいね──」
「小金持ちさん、だーい好きです、私♪ お金どんどんあげれば人は喜ぶものだと思っていますから」
「……みのりちゃん、将来結婚詐欺とかしそうだね……」
「し、失礼な事言わないで下さい! 私は普通の結婚──は出来ないなぁ。一度結婚した実績だけ作って自由に遊びたいなぁ──縛られたくないし」
「まぁ……そういってられるのはせいぜい20代までだって。30代以降はホント悲惨だよ。未だ独身の俺の同級生、案外いるけど、イタイよ、見てて」
「私は大丈夫です。整形でもエステでもして美魔女になりますから♪」
「ま、流石に20歳で10年後なんて考えるのは無理だわね」
「えぇ、明日死ぬかもしれないですし、今を精一杯生きたいです」
「お、なんかカッコいいねぇ。そういう所、見習いたいよ」
「♫♪♫♪ あ、飲みもの持ってきましょうか? あ、サンドウィッチも買ってきますね♪」
「あぁ、ありが──チョっ、下着の人忘れてる!」
「──! あ……今から急いで行ってきまーす」
(一体何の話をしてたんだっけ……?)
男はバカ?
「あれ? どこいったんだろ?? あれ、あれ??」
「ん? どうしたの??」
「えーっと、何処かで秘密兵器の一つ、足臭のスプレー落としちゃったみたいなんです」
「ありゃ、それは大変だ。──あっ、紺ソの人、来たって。どうしよう、キャンセル入れておく?」
「いえ……このスプレーで乗り切ります。ッシュー……わ、クサ!」
「って、これ女性の脇の匂いじゃん。流石に不味くない?」
「ゴホッゴホッ……ちょっと嗅かいでみて下さい、どうです?」
「(クンクン)ぅわ! なんじゃこれ? 納豆の強烈な匂いというか……こんな足の匂いの人、いないって……」
「……ま、大丈夫じゃないですか? 試しに行ってきまーす」
──5分後──
「ただいまーー」
「あ、早いね。どうだった?」
「あ、喜んでましたよ♪ 目の前で私を見ながら思いっきり嗅いで満足してました、いい匂いだって」
「……あれで良かったんだ。臭ければ何でもいいのかな?」
「えぇ、きっと何でもいいんでしょう」
「……そんなに男ってバカだったかなぁ?」
「えぇ、そうですよ。知りませんでした?」
……300円の紺ソにスプレーしただけのものを5,000円で喜んで買う男達って一体──
コメント