#3 青春の1ページ
「……ふと、さ。また気付いたんだけど──」
「え? 今度は何です?」
「友達いないっていう本当の理由……長期入院して学年1つ下になっちゃったから? あれ? そうしたら年齢が合わないや。あれ?」
「年齢の事は置いといて……まぁ、それも大きいです。同級生だった子はよそよそしくなりますし、クラスの子はみんな敬語で話してきますし、やっぱり浮きまくりでしたから」
「確かに……高校の時に留年するとかなーり辛そうだね」
「だからあの時の私はオテテのお店が天国でした。おしゃべりたーくさんしましたし、友達いっぱーいできましたし、学校より断然居心地良かったです^^」
「……だから、風俗店で受験勉強してた訳、か。最初その話を聞いた時はぶっ飛んでるな~、と思ったけど、この事情を知ると納得出来るよ」
「特に3年の時は友達、学校にいなかったですしね。軽く虐められてましたし^^」
「……虐め?」
「私、こんな外見してるじゃないですか。高校生くらいだと年下より年上の女性に憧れ抱くみたいで……滅茶苦茶言い寄られたんです。……それで、女の子の嫉妬、激しくって……」
「確かに……薄幸の美女、年上のお姉さんで優等生、良くも悪くもクラスで浮きまくっただろうね」
「とにかくストレス半端なかったですよー。ほんと、オテテの仕事してなかったら学校卒業まで持たなかったと思います^^」
「まぁ……思いっきり違法店だけど、皮肉な事にそれが支えになってたんだ……」
「はい♪ おかしな話かもですが、オテテのお店は私の青春の1ページです。 あ、それを言うなら、今も青春の1ページになるのでしょうね、こうやってジュンさんと一緒にパンツ売りしていることも^ ^」
「……とても人前で堂々と言える青春の1ページじゃないけどね」
「wwwwww」
「wwwwww」
──高校時に留年して1学年下の子達と同じクラスになる、この環境がどれだけキツイか、誰もが想像するに容易いであろう。0.5%……高校で留年する割合である。そのうち、無事卒業まで出来る子の割合は計測不能(統計になっていない)である。
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