たくみの営業暴露日記 Epilogue Asuka #6 バカだね・・・
──半年後
「リサ、久しぶり！」
「──？！ た、たくみ？ ど、どうしたの？」
「あ、ちょっと旅行で近くまで来たからどうしてるかな～って思って顔出しただけ。元気だった？」
「う、うん……たくみは？」
「まぁ、ボチボチかな。あ、リサ、結婚生活はどう？」
「──え？」
「ほら、言ってたじゃん、斎藤さんと一緒になるって。もう結婚したんでしょ？」
「…………」
「あ……やっぱり嘘だったんだ。そんな事じゃないかな～って思ってたよ」
「たくみは……あすかちゃんと……どうなったの？」
「ん？ あすかはもう飽きちゃったから別れたよ」
「──は？」
「いや～、最近気づいたんだけど、お金それなりに稼いでいるとモテるんだよね。ほら、俺、あまり遊んでこなかったから、暫く遊んで暮らそうかな～って」
「──え？」
「せっかく女の子が寄ってくるんだから、1人に縛られる事なく楽しみたいな～って。重い付き合いはもうメンドクサイな～ってね」
「……嘘！ たくみがそんな事する筈──」
「あ、取りあえず今付き合ってる子と旅行中で車の中にいるよ。ちょっと待ってて、紹介するから」
──数分後
「あ、初めまして～。私、美子って言いま～す。22歳で～、大学生やってま～す。で～、たくみさんの……愛人やってま～す♡」
「──は？ 22歳で大学生？ あ、愛人……？」
「あ、私、彼氏いるんです。だから、ね♡ たくみさんも私以外に色々遊んでるみたいですし～、お互い……需要と供給が一致してますから♡」
「……ど、どういう事？」
「あれ？ 分からないですか～？ 愛人って言ったら……そういう事ですよね？ たくみさんったら、私に夢中なんですよ～。昨晩なんて3回も連続で──」
「（バシーン……）最低……」
「そうだよ……俺は最低な男だよ。元々こういうヤツなんだって、俺は。ま、男なんて大抵がこんなもんじゃない？ だからキャバレーとか風俗が存在する訳だし、援助交際だって──」
「もう聞きたくない！」
「あ、今1人だったら俺と結婚する？ ただ、週に3回程は外泊許して──」
「ふざけないで！ 誰があなたみたいな人と──」
「だよね～。だから……俺の事なんか忘れて、リサだけを見てくれるバカで詰まらない男と一緒になりなよ」
「何よそれ……」
「ほら、斎藤さん。あ～見えてクソ真面目で浮気の一つもしなさそうじゃん？ 実はモテなさそうだし。けど……ああいう人に限ってちょ～っとお金持ったら俺より酷いかもw」
「（バシーン……）彼の事、悪く言わないで！ あなたみたいなクズとは違うから！」
「ま……そうかも……ね」
「二度と私の前に顔を出さないで！」
「……分かったよ。じゃ……リサ、元気で幸せに……ね。クズ男はもう……消えるから、さ」
「──？！ たくみ……？ 泣いてる？」
「……気のせいだって。……さ、美子ちゃん、行こっか。ホテルついたら、ね？」
「え～、また～？ たくみさんのエッチ～♡」
「そういう事だから。……リサ、バイバイ！」
「…………」
──車の中
「……美子ちゃん、ごめん。こんな事お願いしちゃって……辛かったでしょ」
「私はいいけど……お兄ちゃんは……あれで本当に良かったの？ 多分だけど……あすかさんと同じくらい……大事な人だったんじゃないの？」
「……大事な人だからこそ……ちゃんと俺を幻滅させて……キレイにお別れしておかないと。じゃないと……一生独り身のままになっちゃうから」
「一緒になればいいじゃない！ あの人だったら……あすかさんの事、忘れられたんじゃないの？」
「俺にその資格はないよ……きっとリサを傷つけちゃうし……俺じゃ幸せにできないから。……彼女は本当に……大事な人だったから……幸せになって貰わないと……」
「……お兄ちゃん、バカだね」
「昔から……ね」
「あすかさんも……バカだね」
「昔から……ね」
「2人、そっくりだね」
「昔から……ね」
補足？
いきなり半年後になって、ポカーンとなってしまった人、多いかも。しかも、内容も「意味分かんね～よ」でしょうし。
九重はどうなったか・・・ま、遠回しですが今回・次回で十分分かるでしょう。それで勘弁して下さい。。
「そもそも、リサって何だよ！ 何があったんだよ！」
な～んてツッコミもあるかもですが、リサの話を書くとそれこそかなり長くなってしまうので、気合で略しました。ま、一通りのキリがついたら、エピローグで書くかもしれません。いや・・・下手したら九重のエピソード前に書く必要があった・・・？ 意外な程、深く深く関わった人物にはなるので・・・
次回は・・・ちょ～っと衝撃の話かな？
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