第12話:小悪魔みのりちゃん
──先日の出来事があったにも関わらず、懲りずに数日後いつものネカフェ
「私、凄い発見したんです!」
「……今度はどんなグロ?」
「違います! 私がお金を貯める凄い方法思いついたんです!」
「──! 今日はまともじゃん! どんな方法?」
「私はいっつもまともです! まぁ、これ見~て下さい♪」
────────
xxです。
今日遅くまでスミマセンでした。。そろそろxx駅かと思いますが、帰り道気をつけて下さいね
次はシースー♪
僕は有言実行ですので、絶対付き合っていただきますよ。
xx駅になるかyy駅になるかタイミング次第ですが、お楽しみに
────────
おはよーございますー
昨日ごちそうさまでしたー。
いいじゃないですか!( ^ω^ )
まだyy駅でお寿司屋さん行ってないです!
────────
そりゃ学生は簡単には行けないでしょ(笑) 自分のおカネじゃ厳しかろう。
また会いたいと思ってます♪
すぐには難しいだろうけど
そっちに用事作るよ!
────────
「これ……何?」
「え? ご飯奢って貰う常連の人ですよ?」
「……で、お金も貰ってるの? いくら??」
「え~、無理に貰ってる訳ではなくって~、苦学生みのりちゃんにお小遣いくれるんですよー♪」
「……みのりちゃん、そこらの会社役員並に稼いでるじゃん」
「え~、私いっつも貧乏ですよ~。お財布の中身知ってますよね〜。 だから嘘じゃないですよ~♪」
「……その後も違う人とカラオケ、さらに別の人とお茶もしてるし、最後はタクシー代まで……」
「みーーんな喜んでましたよ。気持ちよくお小遣いくれましたし♪」
「……要するに、食事や飲みにいくのを奢って貰えば散財しなくていいじゃん、と。で、どうせならお小遣いも貰っちゃえ、と……」
「はい♪ 私の夜の散財もなくなるどころかお金貯まりますし、常連さんも喜んでくれますし、まさしく一石三鳥くらいの大発見ですよね、これ」
「ま、まぁ……た、確かに、ね。それにしても、うぅ……こうやって男どもはいい気になって高いご飯奢って小遣いまで渡すのか……」
「いつか私の彼氏にって思っているかもですね♪ 中には勘違いしている人もいるかも♬」
「……聞くまでもないかもだけど、ホントに彼氏にしてもいいかな~、なんて事は──」
「ある筈ないじゃないですか~。 だって最初にパンツ買うような人達ですよ? 私には財布にしか見えませんから♪」
「うぅぅ、やっぱり……小悪魔だね……」
「ただ~、もう少し質がいい人が欲しいです。 誰か探して下さいよ~」
「え~っと──質がいいっていうのは?」
「えっと~、私にイヤリングとかネックレスとか買ってくれそうなオイシイ人♡」
「あれ? 前に男からは形あるものは貰わないとか言ってたじゃん」
「お客さんは男じゃないですから、話は別ですよ~」
「──という事は当然、付き合う事もなく更に身体の関係ナシにって事……だよね」
「ヤダな~、あったりまえじゃないですか♪」
「……鬼だね」
「いやいやいや、この私と食事したりおしゃべりしていい夢見れる訳ですから絶対オトクですって。何ならジュンさんも──」
「絶対イヤ! って、先日の飲み代、せめて半分払ってよ!」
「──あれ? え? な、何の事でしたっけ?」
「ほら、先日、夜中に俺をわざわざ呼び出して! ベロンベロンに酔っぱらってたじゃん。俺が全額払ってたけど、よくよく考えたら飲んでたの殆どみのりちゃんじゃん! その時、私が呼んだから私の奢りだけど今ないから後で払うって言ってたじゃん!」
「え~~、そうでしたっけ~~? しょうがないな~、1枚、2枚、3枚……えぇい! もってけ、ドロボー!!」
「……500円玉が1枚、100円が1枚、そして5円玉と来たか……要するにこれが今のみのりちゃんの財布事情だよ、と。あれ? そこに見えるお札は?」
「──! こ、これは……あ、コーヒー飲みます? サンドイッチも買って来ましょうか?」
「要するに、今日はネイルにでも行く予定で、そのお金なのね。──えぇい! 分かったよ。これで手を打ちますよ!」
「キャ♪ ありがとうございまーす♡」
──小悪魔……というか鬼のみのりちゃんでした。
コメント