第9話:みのりちゃんと彼氏と海外旅行
「ちょっと先の話だけど、夏休みはいつからやる?」
「え~~っと、前期のテスト自体はここまでですけど、ここから彼氏と海外旅行いくので……お盆くらいからですね、出来ても」
「ほぉ、リッチだねぇ。──いや、また旅費出して貰うから実質お土産代だけでいいのか。ん~、いいご身分ですなぁ」
「いえ、旅費はホテル込みで折半です。だからちょっと大変なんです」
「え? それくらい出して貰えばいいじゃん。彼氏、社会人だよね?」
「いやぁ、1人あたり10万円以上しますし……」
「年下の学生の彼女に旅行代折半で~、なんていう社会人いないって」
「え~~、そういうものですか?」
「逆にポンっとお金出せる子のがおかしいって。ちょっと貧乏を装った方が大学生らしくて可愛いって」
「え~~、でも~~……」
「男は時には奢りたい生き物なんだって。彼氏にいい格好させてあげなよ。大丈夫、30歳近くだったよね、その彼氏。お金有り余ってるって」
「──そういえば誕生日、指輪プレゼントしてくれました」
「ほら! お金持ってるじゃん!! 甘えて奢って貰えば? ホント」
「そうですね──あ、ホテルの部屋ランクアップしてその分だけ出して貰うっていうの、どうですか?」
「まぁ──いいんじゃない? って、金の亡者で小悪魔のみのりちゃんがどうしたの? まるっきり別人じゃん!」
「私、いい人ですから♪」
「あ、依頼だ──カラオケ1時間で5,000円でどう? だって」
「──時給1万以下は却下です! カラオケ面倒ですし。30分5,000円でお茶ならいいですって言っておいて下さい」
「……全然いい人じゃないじゃん!」
「wwwwww」
「wwwwww」
コメント