第9話:みのりちゃんの彼氏の定義
「んーと、ちょっと変なこと聞いていい?」
「はい、何ですか?」
「今、彼氏は……3人いるんだったっけ?」
「はい、そうですよ~」
「その、彼氏になる、ならないというのは身体の関係が出来た時点で彼氏になるの?」
「あ、違います。相手側が付き合ってくれと言ってきて、私がOKしたらそうなります」
「んーと、コロコロ相手変わってるみたいじゃん? 終わりはどうやったら終わるの?」
「んー、正式に別れよう、とかじゃなく、自然と連絡しなくなったり返事返さなくなった──とかかな?」
「ふと、誰でも付き合ってくれって言われたらOKして──」
「そんな事ある訳ないじゃないですか! お金とルックス、女の人の扱いに慣れている人じゃないと絶対嫌です」
「ほぉ……ルックスはどれくらい重視するの?」
「私の基準は厳しいですよー。100人に1人くらいです」
「じゃ、1ヶ月に1人はクリアする人いそうだね。お客さんでそれくらい余裕で会ってる訳だし」
「いや、そんなに会ってな──いや、会ってるのか……じゃ、300人に1人かな?」
「じゃ、3ヶ月に1人はあ──」
「お客さんは対象外です! 私、ふつーの人がいいんです!! ちょっと待って下さい。 え~っと、ほら、この写真見て下さい。例の元風俗の子の美琴ちゃんですけど、幸せそうじゃないですか~、赤ちゃん抱えて。こーいうのに憧れるんです♪」
「って、相手って風俗の元店長じゃ──ふつーじゃないじゃん」
「今はきっとふつーなんです! って、私共働きは出来ないなぁ……」
「その2人、今、共働きなんだ……みのりちゃんが相手に求める年収は……1000万じゃ足りなさそうだね……」
「多分2000万は必要かと……うー、どういう人と結婚すればいーんだろ……」
「……年収2000万だと、あまり普通じゃないだろうね……」
「私、お金遣いの荒さ、治さないと……あーーー、なんでお金遣っちゃうんだろ!」
──とかいいながら、2日連続で飲みにいって、酔った勢いで3-4万くらい払って散財しているみのりちゃんでした。
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